漢方ソムリエの温故知煎

2015.11.30

オケラ

みずたまり

中国最古の薬用植物事典である「神農本草経」(紀元前一世紀頃)は365種類の生薬についての育成場所やその外見、薬能などを記したものですが、その「神農本草経」に書かれているものは、文章のみです。しかも大変簡単に書いてあるので、今、私たちが使っている植物と同じかどうかは実はよくわからないのだそうです。
たとえば、「朮」
これが現在の白朮なのか蒼朮なのかも明らかではないそうです。
一般には、胃腸の弱い方には白朮、胃が強い方には蒼朮と使い分けますが、実は、のちの文献には「朮」には赤と白の二つがあると書かれている文献もあるのです。
現在の日本薬局方では、オケラまたは、オオバナオケラを「白朮」ホソバオケラを「蒼朮」としているのに対して中国では、オケラを「蒼朮」の一種としています。
というわけで「朮」は湿を除き(水をさばき)、脾を助けます。
水毒の症状を改善しますので、むくみや頭痛、めまいの症状、下痢や悪心などにも効果を出します。
先人の叡智(ときどきあいまいですが…)をあなたにも!



2015.11.27

むくみの原因

足のむくみ

体のむくみ、なかでもふくらはぎのむくみは特に女性に多い悩みです。
ではなぜ、ふくらはぎはむくみやすいのでしょうか?
ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれ、足に流れた血液を心臓に戻すポンプの働きをしています。このポンプがうまく働かないことが原因でふくらはぎはむくんでしまうのです。
ふくらはぎのポンプとしての働きが低下してしまう原因は、
・筋力の低下
・長時間の同じ姿勢
・冷え性
・塩分のとりすぎ(過剰な塩分は水分を上手に排出できなくしてしまいます。)などがあげられます。これらは、食生活の見直しや、筋肉を鍛えストレッチやマッサージで血行を良くすることで改善されます。
また『五苓散』など体の中の「水」の滞りを改善する漢方薬を飲んでみるのもよいでしょう
ストレッチやマッサージなどではなかなか改善されないむくみにお悩みでしたら、漢方薬に頼ってみてはいかがでしょうか?
※むくんだ状態が長く続いたり繰り返したりする場合は、腎臓病や肝臓病、ホルモンの病気の危険があります。



2015.11.19

ウコンの功罪

酒飲み

「飲酒の前にウコンエキスを飲むと肝臓にいいらしい。二日酔いしないらしい。」
こんなイメージ定着していませんか?
実は、ある条件が一致すると、肝臓に悪い影響を与えるようです。
ウコンには、科学的データがあります。胆のうに作用して、胆のう収縮作用や胆汁分泌促進作用があり、これにより消化不良が改善するのです。
しかし、胆道閉そく症や胆石の人などは要注意です!!
胆管が詰まっていたり、狭くなると胆汁分泌作用が促進されることで痛みが発生し、症状を悪化させる場合もあります。
それならば、二日酔いに効く漢方はないの?
あります。『五苓散』です。
五苓散には、
 ・茯苓(ぶくりょう)
 ・蒼朮(そうじゅつ)
 ・沢瀉(たくしゃ)
 ・桂皮(けいひ)
が含まれています。
これらにはアルコールの代謝を改善させる作用、利尿作用(尿をたくさん出させる作用)、消化管の運動亢進作用などが動物実験などで確認されています。また、桂皮(けいひ)は身体をあたため血行を良くし、頭痛やめまいにも効果的なのです。
ぜひ、お試しください!



2015.11.17

風邪と耐性菌

抗菌剤

風邪に抗菌薬は必要でしょうか?
抗菌薬の乱用による弊害のひとつは、耐性菌です。
耐性菌は、抗菌薬を頻繁に使うと発生します。その抗菌薬では死なない、すなわち抵抗を持った菌が発生するのです。そして、その耐性菌の繁殖により、皮膚の炎症などを引き起こし、またひどいときには肺炎や髄膜炎を起こし深刻な状態にもなりかねません。
WHO(世界保健機関)は、世界中で抗生物質の適正な利用を呼びかける「抗菌薬啓発週間」(2015年11月16〜22日)を今年初めてスタートさせました。日本でも国立国際医療研究センターの国際感染症センターが中心となり、医師や私たち市民に対して適正使用を呼びかけています。
私たちの心がけ次第で耐性菌が増えるスピードを抑え、今ある抗菌薬で効果的に治療成果をあげ続けることができるようです。
抗菌薬啓発週間2015による「4原則」というものがあります。
(1)求めない
医師が必要と考えていないのに、抗菌薬を求める患者さんがいます。できるだけ、症状に対して効果のある薬だけをもらいましょう。
(2)飲むなら最後まで
もらった薬は残さず飲みきること。その細菌を殺すために、適切な量や日数が処方されています。症状が良くなったとしても最後まで飲み切りましょう。
(3)もらわない
親切心からか、家族やお友達に、自分がもらった薬をあげようとする人がいませんか?処方薬をくれそうな人がいたら、丁寧にお断りしてください。
(4)あげない
(3)の逆です。

世界には日本とは違い抗菌薬を処方箋なしで購入できる国もあり、買わないという文言が加えられている国もあります。
抗菌薬を使わない、感染症対策。漢方という選択肢があります。どうぞ、お気軽にご相談ください。



2015.11.16

更年期の不定愁訴

更年期

顔がほてる、イライラする、汗をかく、頭痛、めまい、不安、不眠、動悸・息切れ、疲れやすい、やる気がでない…閉経をはさんだ前後10年間、いわゆる更年期の女性にはこのような不定愁訴といわれる体の変調が現れることがあります。
これを更年期障害と呼びます。
更年期障害は、卵巣の働きが低下し、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量の減少やそれに伴った自律神経の働きの乱れなどが原因で起こります。
治療はエストロゲン製剤を用いたホルモン補充療法が一般的ではありますが、副作用も起こりうるため、希望しない患者さんも多くいらっしゃいます。
そこで漢方です。
更年期障害は漢方の得意とするところ。
「気」や「血」を補い、巡りを良くする、「水」のバランスを整えるなど、全身にアプローチすることで複数の症状を改善していきます。
ご自分の体質に合った漢方煎じ薬は高い効果を得られます。
心と体は繋がっており、薬が合っていると、身体の不調が治まっていくのに伴い、心の症状も治まっていきます。
漢方薬選びに迷っておられましたら、症状、体質などをうかがった上で薬剤師がおこたえします。お気軽にお問合せくださいね。



2015.11.5

女性ホルモンと便秘

トイレ

なぜ便秘は女性に多いのでしょう…?
それは女性ホルモンが関係しています。女性ホルモンのひとつであるプロゲステロン(黄体ホルモン)には腸の動きを抑える作用があり、プロゲステロンの分泌が続く月経前や妊娠中に便秘になりやすい人が多いのはそのためです。
たとえ毎日排便があっても、すっきりしない場合は便秘といえます。便秘は便が長く腸にとどまるため、悪玉菌が増殖して毒素が発生し、肌荒れやニキビ、吹き出物などの症状を引き起こしやすいのです。
漢方では便秘は「気逆」「気虚」「瘀血」「血虚」「水滞」など、「気・血・水」のさまざまなバランスの乱れから起こると考えます。治療の中心とするのは「大黄(ダイオウ)」という生薬を含む漢方薬です。大黄には、腸を刺激してぜん動運動を促す作用があり、西洋医学でも刺激性下剤のひとつとして使われています。
漢方では、排便を促すだけではなく、腸管を温めたり潤したりする生薬の作用も生かして、腸の動きを整える働きがあり、体力や症状によって使い分けます。
漢方薬は西洋薬の下剤に比べて長期的な服用が可能です。根本的な体質を改善することを目的としますので、漢方薬を上手に使って、便秘になりにくい体を目指しませんか?
→便秘の漢方薬はこちら



2015.11.1

風邪の漢方

薬と体温計

11月に入りました。風邪やインフルエンザの季節到来です。
環境汚染や食べ物の影響なのでしょうか、現代人は体力がないと言われています。ですから、以前は風邪に効く漢方薬はと言われれば、迷わず「葛根湯」と言われていましたが、、現代は少し違うようです。
葛根湯には「マオウ」という生薬が配合されており、脈に力があり、胃腸が丈夫で体力が充実している人にはとても合っているのですが、心臓が弱く、脈に力がないような虚弱体質の方には負担が大きいのです。
マオウは皮膚の表面を温めて毛穴を開きます。発汗させることにより、風邪〈ふうじゃ〉(ウイルスなどのこと)と寒を追い出します。しかし、マオウには動悸を起こさせたり、過度な発汗により体力を消耗させたり、覚せい作用があり、一睡もできないというような事も起こり得ます。ですから、虚弱体質の方には「マオウ」が含有していない風邪薬が望ましいと言えます。
そもそも、葛根湯以外に風邪の漢方薬なんてあるの?と言う声が聞こえてきそうですが、あるのです。
それは「桂枝湯」です。桂枝湯は、(桂枝・芍薬・生姜・大棗・甘草)が含有されています。マオウは含有されていません。桂枝湯は、寒気や頭痛、発熱から始まり汗ばんでいる人の風邪の初期に用います。桂枝湯は非常にマイルドなので、服用後には消化のよいおかゆなどの食事をとり、厚着をして、身体を温めてあげると、薬力を助けることができますので、お勧めです。
寒い季節の体調管理の一助にお試しください!
桂枝湯の補足情報
1.もっと体力のない方には、香蘇散という風邪の漢方がおすすめ。
2.芍薬の量を増やし、お米の飴(膠飴)を加えると、虚弱な小児の体質改善の漢方である「小建中湯」になります。
3.年中風邪っぽい「万年風邪」にもおすすめです。
4.妊娠中の風邪などにも積極的に用いられます。
5.自律神経失調症などにも効果的。(気逆<気が衝きあげること>による精神症状を改善するため)
お客様の声
「桂枝湯を飲みました。甘くてとっても飲みやすいです。のどから胃腸にかけて、ポカポカと温まる感じがします。しばらくすると、のどのチクチクした痛みもなくなり、頭が重たい感じもすっきりしました!桂枝湯、お気に入りになりそうです!」



 

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