漢方ソムリエの温故知煎

2015.7.31

漢方薬と西洋薬

漢方薬と西洋薬

そもそも漢方はどんな症状によく効くのかとよく尋ねられます。
漢方は様々な症状に効果がありますが、とくに花粉症やアレルギー症状などの慢性疾患、冷え症や肩こり、PMS(月経前症候群)のような生理前後のイライラや生理不順、更年期障害などの女性ホルモンのバランスが崩れておこる症状などにも効果があります。また、ニキビ、むくみ、しみ、肌のくすみ、便秘、肥満(ダイエット)など女性のお悩みや原因不明の痛みにも効果があります。
そんな漢方ですが、抗生剤と一緒には飲めないということを言われるケースがあるようです。しかし、風邪のときに抗生剤とともに、葛根湯や小柴胡湯加桔梗石膏などが処方されるケースもあります。これはいったいどのように考えればよいのでしょうか。
漢方薬の有効成分は、配糖体として存在しているものがあります。そしてその配糖体は腸内の善玉菌で分解されて初めて効果を発揮するものもあります。その点で考えると、腸内細菌にダメージを与える抗生剤といっしょに飲むことはよくないのではという考えもあるかもしれません。
肺炎への抗生剤と清肺湯との併用を経験した医師によると、とくに漢方の効果の減弱を感じたことはないと答えています。そこまで、気にすることはないというのが現状のようです。
但し、漢方薬の中には、石膏、竜骨、牡蛎といった、カルシウム成分を含む生薬もあります。エキス顆粒では、そこまで製剤中にカルシウム量がないのですが、煎じ薬では、以前のデータでお示しした通り、カルシウム濃度が高いといわれています。その点でカルシウムと相互作用のあるテトラサイクリン系の抗生剤などとの併用時には注意が必要です。



2015.7.27

イライラ漢方とクヨクヨ漢方

イライラ漢方とクヨクヨ漢方

イライラとは怒りっぽい状態です。
漢方の考え方での五臓(肝・心・脾・肺・腎)のなかで肝の不調があると、肝鬱という、いわゆるイライラの状態になります。そんな時は「柴胡剤」の出番です。
柴胡剤の代表は『加味逍遥散』
女性の更年期やPMS(生理前後の諸症状)に使われますが、男性が使ってもかまいません。

一方クヨクヨとは漢方で言うところの『気』の乱れ。
五臓のいう『肺』の不調や胃腸の乱れから来ると言われます。
そんな時は『六君子湯』
胃腸の不調を改善しクヨクヨを解消します。
イライラもクヨクヨも漢方の出番です!



2015.7.24

肥満も炎症

肥満も炎症

本日は当地区薬剤師会の定例会で夜9時からのお勉強。
大学病院の循環器内科の教授の先生がお見えになり、心房細動と血液凝固薬についての勉強をしました。
心房細動になると、心臓は1分間に300回以上も拍動し不規則に早く拍動します。(通常は1分間に60回から100回)これが、心原性脳塞栓症を発症させるリスクを高めるのです。
この心房細動のリスクファクターとしては、肥満、喫煙、COPD(たばこによる肺の病気)心不全、高血圧、過激な運動、心筋梗塞、弁膜症、甲状腺の病気、無呼吸症候群などがあるそうです。また、大腸がんや悪性腫瘍の発生との関連性もあるとのこと。
どうして心臓の病気とガンの発生が関係があるのかと言うと…
全て『炎症反応』だからとのこと。つまり、慢性的な炎症がある場所にはガンが発生しやすい…。
肥満も炎症なのだそうです。
事実、炎症の度合いを示すCRPという値、肥満の度合いを示す値であるBMIが高い値の人ほど、CRPが高かったというデータがあるようです。
朗報ですよ、あさこさん!
肥満を改善することは、ガンの発生予防にもなるということです!
漢方もひとつの選択肢です。



2015.7.23

運動器慢性痛

運動器慢性痛

最近、1万人以上の日本人を対象に行われた大規模な疫学調査の結果、腰や首、関節の痛みや痺れなど運動器の異常に起因すると思われる症状を経験したことがある人は86%、調査時点でこうした運動器慢性痛の有病者は15%に上ることが明らかになったそうです。
運動器慢性痛に悩む方々の多くは、痺れや痛みの原因がどうであれ、症状さえ改善されればよいと考えているようです。
痛みは我慢するほかないものと諦めている方も少なからずおられることでしょう。しかし、痛みや痺れを我慢していると、ますます重症化、難治化し、さらに症状が悪化して回復しにくくなるという悪循環に陥ることが危惧されます。
漢方薬で痛みとともに体質も改善していきましょう。



2015.7.21

「不足」を補い「過剰」は減らす

不足を補い過剰は減らす

漢方医学には、「足りないものは補う」「過剰なものは減らして平らにする」という考え方があります。
1.足りない場合
  気力・体力が足りないときは気力・体力を補う漢方薬を、体を潤滑に動かす力(漢方でいう「血」)が足りないときは「血」を補う漢方薬を、水分が不足しているときは水分を補う漢方薬を使います。
2.過剰な場合
  興奮しているときは、頭にのぼって停滞している気を鎮める漢方薬を、月経痛やうっ血には血の流れをスムーズにする漢方薬を、むくみには水分を排出する漢方薬を使います。
≪不足を補う≫
  気を補う生薬⇒ニンジン、オウギなど
  血を補う生薬⇒トウキ、シャクヤクなど
  水を補う生薬⇒バクモンドウ、ジオウなど
≪過剰なものを平らに≫
  気の流れをスムーズに⇒コウボク、サイコなど
  血の流れをスムースに⇒センキュウ、トウニンなど
  水の流れをスムーズに⇒ハンゲ、ブクリョウ、ソウジュツなど
構成生薬が相反するものを含む漢方薬も存在します。
それでも大丈夫。あえて、同じ作用ものもばかり組み合わせるのではなく、いろいろなベクトルの生薬を組み合わせることで、総合的な作用を発揮するからです。長年蓄積された、膨大な使用実績のなせる業です。



2015.7.20

ノニ?フコイダン?アガリクス?

ノニ、フコダイン、アガリクス

あさこです。
生薬学会が近づいてきました。生薬学会には健康食品会社の方がたくさんの情報を収集するためにやってこられます。
一昨年は「ノニ」が大ブーム!
沖縄ではヤエヤマアオキとよばれています。学術名はMorinda citrifolia。ハワイでは日本のアロエ(イシャイラズ)的な地位だそうです。 ガンが消えたという報告もありますが、ノニもフコイダンもアガリクスも、人間にもともと備わっている自然治癒力を高める効果があるのは確かだそうです。
薬剤師からのお願いです。
おくすりとこのような健康食品を併用するときは医師に必ず伝えてくださいね。今のからだの状態が、おくすりの効果によるものか、自然治癒力の高まりによるものか、薬の量を決めるのにとっても重要なんです。
自然治癒力を高める力!漢方薬の力と似ていますね。



2015.7.17

漢方のEBM

漢方のEBM

90年代頃から、EBM(エビデンス・ベースド・メディスン=科学的根拠に基づいた医療)が重視されるようになり、漢方薬もその効能の根拠をより科学的に検証しようとする動きが盛んになりました。
1.認知症(レビー小体型)
認知症の中で、幻覚や妄想などの症状が強く出るこのタイプの症例の治療には『抑肝散』がよく使われます。
もともと高ぶった神経を鎮静化する働きがあるのですが、抑肝散を服用するグループと服用しないグループとに分け検証したところ、服用したグループは幻覚、幻視などが明らかに改善、ところが、飲まなかったグループは治療前と状況はほとんど変わらなったという研究結果もあります。
2.認知症(脳血管型)
脳血管障害が原因で起こるこのタイプの認知症はには『釣藤散』がよく使われます。
『釣藤散』は慢性頭痛や高血圧などで使われます。
釣藤散を服用するグループとそうでないグループに分けて検証した結果、『釣藤散』を服用したグループの方が、精神症状や自覚症状が改善したという研究結果があります。
西洋薬では、胃腸症状やめまい、眠気などの副作用が出ることが多く、上記の漢方薬の使用により、両方のよい部分を組み合わせた、より患者さんにあった治療の選択をすることができるのです。



2015.7.14

二日酔い

二日酔い

二日酔いとは、飲んだお酒の量が、肝臓の代謝能力を上回って代謝過程で発生する毒性のアセトアルデヒドが体内に蓄積される状態です。
症状としては、頭痛や嘔吐、むくみや口の渇きなどです。
漢方では、二日酔いによるこれらの症状は「水が滞って生じている」と考えます。そして、その水の滞りに対し、五苓散を使用します。
五苓散の薬理作用として、動物を用いた研究では、アルコール代謝改善作用、利尿作用、消化管運動促進作用が報告されています。 ぜひお試しください。



2015.7.11

薬物乱用頭痛

薬物乱用頭痛

頭痛薬の連用が、さらなる頭痛を招くことがあります。
市販の頭痛薬を自己判断でむやみに使うのは危険です。市販の頭痛薬を連用するとかえって頭痛が起こる、これが「薬物乱用頭痛」です。 そのメカニズムは、薬物の連用により、痛みの閾値(境目となる値のこと)が下がる、つまり、痛みに対する感受性が過敏になってさらに痛みが発生するのです。
この薬物乱用性頭痛は、リウマチなどの疾患で大量に痛み止めを服用しても起こりにくく、緊張性頭痛や片頭痛、その合併症などで起こりやすいと言われています。
あなたの頭痛、大丈夫ですか?
漢方という選択肢もありますよ!



2015.7.10

芍薬甘草湯

芍薬甘草湯

漢方薬のシャクヤクには、痛みや痙攣が起こるのを抑える効果や、下腹部に冷えの気が集まったために血が滞って痛みやしこりが起こり、そのしこりを取ったり痛みを抑える効果、血行不良のため痛んだり、痺れたりするのを治す効果があります。そのシャクヤクが配合されている漢方薬が芍薬甘草湯です。
芍薬甘草湯はこむら返りの治療で有名になりましたが、それだけではないんです。病名を問わず、色々な部位の痙攣にも応用できます。
実際に整形外科でもよく処方されており、足の痛みや、夜中に足がよく攣る方、たくさんの患者さんが服用なさっています。
即効性があるので服用したその日に効果がでる方もたくさんいらっしゃいますよ。足の痛みや、こむら返りでお困りの方は是非1度試してしてみてください。



2015.7.9

冷え性と低体温

冷え性と低体温

冷え性と低体温はどちらも冷えることは共通です。しかし、「似て非なるもの」なのです。
冷え性⇒手足の冷えは感じても、身体の熱は奪われない状態(主観的な定義)
低体温⇒体温全体が35度台まで下がっている人のこと(医学用語です)
冷え性は、体温を保つために手足が冷えるのです。 寒い外気にさらされ「寒い」と感じると手足の末梢血管が収縮し、温かい血液が身体の中心に集まってきます。その結果、中枢部は体温を保つことができ、手足からは熱が奪われるのです。
低体温は、食べ物が原因のひとつといわれています。
人は食べ物(糖質・タンパク質・炭水化物)からエネルギーを作っています。その時に、ビタミン、ミネラルが必要なのですが、それらが不足しているとうまくエネルギーや熱を作ることができないのです。
ですからビタミン、ミネラルの摂取も考慮した食事をすることがとても大事です。
健康的な食生活をするとともに、エネルギーを生み出すミトコンドリアの数を増やすために筋肉量を増やすことも必要です。適度な運動で体温を上げて免疫を高め、健康的な毎日を過ごしましょう。
他にもエアコンの影響や、無理なダイエット、睡眠不足が原因だったりします。それらも見直したうえでそれでもだめな場合は、甲状腺の機能異常などの可能性もありますので医療機関の受診をお勧めします。
冷え性の改善は、ネットオリーブにご相談ください。



2015.7.6

花粉症の漢方薬

花粉症の漢方薬

漢方薬の小青竜湯、花粉症に効果があるといわれています。
この小青竜湯は、急性肺炎、急性気管支炎にも有効であるといわれています。
国立東京第二病院小児科において肺炎もしくは気管支炎と診断された53人に対して行った研究です。
12人には小青竜湯(0.1g/kg)を内服させ、ほかの41人を対照としました。両群とも西洋医学的治療を同様に行いました。
結果は解熱に要した日数は小青竜湯使用群は平均12日、対照は23日、有意に差がでたのです。
(参考文献:安達原華子ほか:湿性ラ温を伴う急性肺炎、気管支炎の小児にたいする小青竜湯の効果より)



2015.7.3

ひざの痛みと水分代謝

ひざの痛みと水分代謝

初めまして、さと男です。
現在整形外科の門前の名古屋西店で勤務しています。整形外科に通う患者さんに多い症状が痛みです!当然ですよね。
痛みの中でも多い症状が膝の痛みです。年齢ととともに、軟骨がすり減ったり、関節に水が溜まってしまうことが原因でたくさんの患者さんが悩まされています。そんな患者さんに医師が処方するお薬、それが防已黄耆湯です。 防已黄耆湯を服用された患者さんは、個人差はありますが、だいたい1週間から1ケ月程で効果が現れています。
「服用して1週間程でトイレが近くなり、その後は膝に水が溜まらなくなったおかげで、注射で痛い思いをして水を抜かなくてよくなった。」
「服用して2週間ほどで膝に溜まっていた水が減り、体重も減り、痛みが軽減して歩けるようになった。」
などなど、たくさんの喜びの声を頂いています。
防已黄耆湯には、水分代謝を活発にする働きがあります。これにより、体内に水が溜まることによる疲れや痛みなどの諸症状を取り除きます。
膝の痛みや、むくみ、痩せたい!という方はぜひ1度、防已黄耆湯を試してみるといいですよ。



2015.7.3

大人ニキビと漢方

大人ニキビ

大人ニキビに悩む原因は、漢方の考え方でいうところの「於血」(おけつ)と言われる状態であると言われています。 すなわち、お肌の血行不良ともいえるでしょう。
冷え・イライラ・頭痛・肩こりがあると於血といえます。
そんな方のニキビには、
当帰芍薬散(色白で冷え性、むくみがちの人)
加味逍遥散(肩こりや便秘があり、日ごろイライラしがちのタイプ)
桂枝茯苓丸(のぼせ、赤ら顔、特に生理前に肩こりやイライラするタイプ)
が効果的です。
お試しください。


 
2015.7.1

証の見立て

証の見立て

今日は漢方の特徴的な質問項目の説明をします。
まず、
1.冷えがあるかのぼせがあるか
2.のどの渇きや口の渇きがあるか
3.汗のかきかた
4.めまいの有無
5.便通の状態
6.排尿の状態
7.だるいなどの全般的な身体の状態
8.おなかのぽちゃぽちゃという音
9.肋骨の当たりの抵抗感や苦しさの有無
10.みぞおちの抵抗感や痛み
これらの内容を勘案し証を決める参考にします。(薬剤師は触診できません)

 

2015.6.29

五味

五味

東洋医学では五味(ごみ)という考えがあり、食材も薬と同様に考えられており、この考え方で未病を改善し、病気になりにくい体を作ることが大事だと考えられています。
酸味、苦味、甘味、辛味、かん味(塩辛い)それぞれの味は各五臓の働きと関連しています。それぞれの食材と作用です。
1.酸味⇒やわらかいものを固めたり漏れ出るものを止める収斂作用。(レモン・梅・ヨーグルト)
2.苦味⇒火の勢いを鎮める働きがあり熱による咳や胃痛を緩和します。余分な水を取り除く作用もある(フキ・ニガウリ)
3.甘味⇒胃腸の働きを整える。気や血を補い、腹痛やけいれんなどの急な症状を抑える(米・りんご・牛肉・キャベツ・アジ)
4.辛味⇒気や血のめぐりをよくして、発汗を促し、痛みをとる(ニンニク・ネギ・ショウガ)
5.かん味(塩辛い)⇒乾燥を潤す、固まったものを柔らかくする(コンブ・クラゲ・ハマグリ)
食材の作用を意識した食事をすることにより病気になりにくい身体を作ることができます。

 

2015.6.26

防已黄耆湯について

ひざが痛い

防已黄耆湯のお話です。
通常は、体表に水毒があり、関節の腫張や痛み、浮腫がある場合に用いるとよい効果があります。
適応症としては、水太り、汗が多く尿は少ない傾向にある方によいとされます。加齢による骨の変形などにも効果があり、手指の加齢による関節症であるヘベルデン結節や加齢変性による頸椎症の疼痛にも著効を示す場合があるそうです。ひざの痛みもとれるかな?

 

2015.6.26

冷え性と漢方

冷え性と漢方

漢方の考え方で冷えという概念がありますが、漢方で考えなくても冷えが体に悪いということはご存知ですよね。生薬と同様に食材にも体を温めるもの、冷やすものがありますのでご紹介します。
寒性 体を冷やす作用⇒ バナナ、トマト、ヒジキ、鮭
涼性 体をやや冷やす⇒ ミカン、レタス、小麦、豆腐
平性 どちらでもない⇒ サツマイモ、豚肉、牛乳、キャベツ
温性 体をやや温める⇒ リンゴ、かぼちゃ、牛肉、鶏肉
熱性 体を温める ⇒ コショウ、山椒、とうがらし
よく子どもが下痢のときに、オレンジジュースは?、リンゴジュースは〇と言いますが、体を冷やすのと温めるとの違いなのですね。

 

2015.6.24

やじろべえ

やじろべえ

東洋医学では体の中の状態は常に変化していると考えられています。その状態こそが健康だと言われています。
そして、その変化が何らかの理由で停滞すると、不調や病気が生じると考えるのだそうです。
私たちは常に外からの刺激や変化にされされています。食事、天候、人間関係のストレス、それらと合わせて加齢や体質の変化、疲労などといった体内の変化にさらされ、自然治癒力によりバランスを保っているのです。そのバランスが崩れたときに、整えるのが漢方の役目です。
やじろべえの支点のような役割を漢方薬が果たすのです。



 

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