漢方ソムリエの温故知煎

2016.1.25

五臓六腑

酒

「五臓六腑にしみわたる〜」などと表現します「五臓六腑」、これは東洋医学において人間の内臓全体を言い表すときに用いられます。
身体を実際の解剖の結果として五つの臓と六つの腑に分けて命名されています。これは東洋医学の概念に照らし合わせて解釈されているので、西洋医学でいう臓器の解釈とは異なります。
・五臓
1)肝
  自律神経、運動神経を司っている。積極的な気や身体を動かす気力をおさめている。機能が乱れ、強まればイライラに、弱まれば無気力につながります。
  漢方例;抑肝散(肝を落ち着かせ、イライラを抑える)
2)脾
消化吸収機能、水分代謝の中枢です。脾が衰えると、外側からのエネルギー補充が上手くいかず、全身の気虚状態を招いてしまいます。口唇に異常が現れやすいと言われています。
  漢方例;四君子湯(補脾剤の基本骨格)
3)腎
精を貯蔵する場所。生まれながらにして授かったエネルギーを貯蔵しています。生殖と成長発育を維持し、歳を重るごとに少なくなっていく。
  漢方例;八味地黄丸(補腎剤の代表)
4)心
生命の源で、全身にエネルギーを巡らす働きをしています。意識と精神を司り、五臓六腑をまとめています。陽気に満ちているので、多すぎると熱を発し、少なすぎると冷えを生じることになります。
5)肺
呼吸器、皮膚機能を司ります。外側から気を取り込み、全身に巡らせます。肺の疾患は鼻に現れます。
  漢方例;辛夷清肺湯(鼻づまり、蓄膿、慢性鼻炎に) 

・六腑;五臓の機能を補う
1)胃 
飲食物を消化する場所。「脾」と関わりがあり、運動機能と相互に機能し、気・血・水となって全身に栄養を行きわたらせる。
2)小腸
胃と協力して栄養を吸収します。栄養を吸収した後、脾の作用により全身に栄養が運ばれます。胃の機能が低下するとゲップ、嘔吐などの症状が現れます。
3)大腸
消化吸収された後、カスが排出されるところです。
4)胆
 「肝」とつながりがあり、胆汁の生成、排泄は肝によってコントロールされています。また、脾と胃の消化機能を正常に機能させる重要な臓器でもあります。
5)膀胱
「腎」とつながりがある。小腸から送られてきた水を貯めておく。腎気が不足すると排尿機能が悪くなり、頻尿、尿閉が生じたりする。
6)三焦
三焦は上焦、中焦、下焦の3つに分かれています。器官を指すのではなく、総合的な機能を持ちます。
上焦⇒心と肺<輸送作用>
中焦⇒脾と胃<消化・吸収・輸送作用>
下焦⇒腎と膀胱<排泄作用>
と、以上の様に分類されています。

五臓と六腑は表裏一体で関連した考え方をしています。
身体の不調がどこにあるかを探り、それはどこの部位に不調があるのかを見極めて、漢方を決めていくのです。


2016.1.14

水の異常

水イラスト

今日は「水」のお話しです。
漢方医学での「水」とは、身体の水そのものを指します。この水が全身を廻ることによって、体温調節をしたりします。生きていくには不可欠な物なのは皆さんがご存じの通りですね。しかし、この水の不調は様々な症状をきたします。
≪水滞(すいたい)≫
水滞は水毒ともいいます。「水」の流れが滞り、体液の分布が不均等な状態です。
停滞している部位によっても症状が変わってきます。それでは部位別にみてみましょう。
全身⇒むくみ、体が重だるい感じ、発汗が普段以上にとても多い
頭部⇒頭が重い、めまい、耳鳴り、立ちくらみ
胸部⇒水様性鼻汁、痰が絡む、咳
腹部⇒腹水、胃内停水(胃のがポチャポチャする)、お腹が張り、重い感じ、消化不良
関節⇒関節痛、こわばり
となります。
 例;二日酔いで顔がむくみ、喉が渇く⇒身体の表に水が余り、裏は渇いている⇒五苓散
 ※これによって余っていた表の水が不足していた裏に廻されるのである(これを利水という)
ほかにも利水作用のある漢方は六君子湯、防己黄耆湯などがあります。
防己黄耆湯は水太りタイプの方のダイエットにも用いられてもいる漢方です。
六君子湯は、気虚の時にも用いられている漢方ですが、利水薬の代表とも言われる二陳湯に2種類の漢方を加えると六君子湯になります。
以上で、「気・血・水」については終了です!
次回は五臓六腑について述べていきたいと思います。


2016.1.8

血の異常

血

前回は、漢方医学の考え方で健康を維持するのに不可欠な3要素「気・血・水」の「気」についてお話しさせていただきましたね。今回は「血」についでです。
漢方でいう「血」とは、血液ないし血液によって運ばれる栄養分のことです。また、老廃物も運ぶため、血が滞ることは良くありません。それでは、血の異常を見ていきましょう。
<血の異常>
1.瘀血(おけつ)
血の巡りが悪く、局所的に血が余っている状態の事。皮膚の細絡(体の表面に現れた毛細血管の事で血の巡りが悪くなっている)、舌に認められる紫色の斑点や筋、下腹部の圧痛、硬結(炎症が長期に渡って生じた結果、組織が硬くなること)などで判断されます。生理痛や冷え性、不妊症などでよく認められる所見です。
例;月経痛、下腹部の痛みと舌の紫点あり⇒「瘀血」と判断⇒“桂枝茯苓丸
そのほかにも“桃核承気湯”、“当帰芍薬散”、“加味逍遥散”が瘀血に用いられます。
2.血虚(けっきょ)
血によって運ばれる栄養分がうまく配られていない。現代では偏食やダイエットが原因であることが多い。または、妊娠過多、妊娠、出産などで「血」の消費が激しいなどと、「血」が不足している状態のことなのです。
結果として、赤切れ、皮膚の艶が悪い、爪が割れやすく色が黒い、などの徴候が見られます。よく間違われる貧血とは異なる概念で、貧血が有ろうがが、無かろうと血虚の徴候があれば血虚、なければ血虚とはなりません。
貧血は血液中のヘモグロビンが足りない状態。血虚は血の巡りが悪く、血が足りていない状態です。
例;慢性気管支炎、顔色不良と皮膚の枯(こ)燥(そう)(水分が少ない状態)を伴う⇒血虚⇒人参養栄湯
そのほかに血を補い、全身状態の栄養状態を改善する”四物湯“、四物湯に補気作用のプラスした”十全大補湯“や”当帰芍薬散“も用いられます。
漢方薬のラインナップもこれからどんどん増えていきますのでご期待ください!!
次回は「水」です。


2016.1.4

風邪のウイルス

日の出

今年は全国的に暖かな日が続いていますね。でも冬の空気はとても乾燥しています。
乾燥はウイルスにとって居心地の良い、活発になる環境。
オリーブ薬局にも風邪の患者さんがたくさんいらっしゃっています。
風邪のウイルスを退治する根本的な薬は無いため、西洋医学では解熱をしたり、咳を鎮めたりなどの対症療法が中心となります。
(抗生物質は細菌感染が疑われたりする場合に用いられるお薬で、ウイルスには効きません。)
漢方医学では、風邪を引き起こす原因は、体の冷えと考えます。
風邪を引くと熱が上がるのは、体に熱を発生させ、ウイルスを退治しようとしているためだと考えられています。
そのため漢方では、症状を抑えながら、むしろ体を温めて発熱を助け、闘病反応を高めたり、発汗を促すことで結果的に熱を下げ、治療します。
風邪を引いたときの基本は体を十分に温めることです。
特に首や足を温めることは効果的です。
漢方薬は症状、汗が出ているかどうか、どこに痛みがあるか、引きはじめなのか治りかけなのか、などによっても用いるものが違います。
かぜ症候群
チェックシートでも迷われるようでしたら、薬剤師がご相談に乗ります、お気軽にお問い合わせください!

2016.1.1

六君子湯

おせち料理

六君子湯は脾胃気虚のお薬です。分かりやすく言うと、胃腸が弱っている方へのお薬です。
年末から年始にかけて忘年会、新年会でいつも以上に外食が多かったのではないでしょうか?
思い当たる節のある方!あなたの胃腸は疲れています。そんな時に使える漢方が「六君子湯」です。
では、「六君子湯」がどのような漢方なのか見ていきましょう。
構成生薬としましては、人参、白朮、茯苓、半夏、陳皮、甘草、生姜、大棗の8種類です。
他の漢方薬から解析してみると、
<人参、白朮、茯苓、甘草⇒四君子湯;補気剤のベース薬、消化管、呼吸器機能を高めます>
<半夏、陳皮⇒二陳湯;胃の中にとどまる余計な水分を除いて痰を取り去る>
<生姜、大棗⇒消化を助け、他の生薬の吸収を促進させます>
となります。簡単に言ってしまえば胃腸薬です。
証の視点から見てみると、「脾気虚(ひききょ)」の方に適しています。脾は消化機能を意味します。
脾気虚というのは、何らかの原因で気力が衰え、疲れやすく、食欲が減退しているような方を指します。また、分かりやすい症状として「胃部振水音」という言葉があります。これは動いたときや胃の辺りを叩いた時に、チャプチャプと胃の辺りで音がすることです。この胃部振水音は日本人に多いといわれています。
どのような時に起こるのでしょうか?以下の様な事が引き起こす要因となります。
・水分の摂り過ぎ
・生ものや冷たいものの摂り過ぎ
・胃腸を冷やす
・食べ過ぎ
以上の様に胃腸が冷やされたり、大量の水分が入ってくると脾の動きが低下する。そして余分な水分が溜まりやすくなります。そして、また脾の機能低下を招き、悪循環に陥ります。
そんな状態に「六君子湯」はピッタリなのです!年末、正月と食べ過ぎて、ちょっとお腹の調子がすぐれないあなた!是非この漢方をお試しください。
また、?慢性的な胃炎のある方、?小児の消化不良による下痢、食欲不振、?胃腸虚弱による疲労感、めまい、肩こり、神経症(不眠など) と、胃腸の不調に基づいた疾患に使用できますのでお気軽にご相談ください。



 

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