漢方ソムリエの温故知煎

2017.6.20

橙の効能

だいだい

「吾妹に(わぎもこに)
      逢わず久しも(あわずひさしも)
            うましもの
  阿部橘の(あべたちばなの)
      苔生すまでに(こけむすまでに)」

万葉集に上記の歌があります。
そのこころは、「愛しい彼女にもう長く逢っていない。あの美味しい阿部橘に苔が生えるほど長い間・・」
という意味です。
ここで注目していただきたいのは愛しい彼女ではなく、阿部橘とは何かという点。
阿部橘とはあべたちばな、橘、すなわち ダイダイ(橙)である。
ダイダイはご存知の通り、果実が年を越しても落ちず、2.3年なり続ける。代々続く、縁起ものとしてお正月飾りなどに使われる。
鏡餅にミカンをのせることもあるが、本当はダイダイでないと縁起の意味はないという。
そもそもなぜ阿部橘なのかというと、阿部とは現在の奈良県桜井市阿部のことで「阿部で採れた橘=橙」が大変おいしかったそうな。
ダイダイの未熟果実を乾燥させてできた生薬はキジツ(枳実)といい、胃の調子を改善し、お通じをよくする効果があり、腹痛や膨満感な どに使われます。
「四逆散」に使われる構成生薬です。
ご相談はNet OliVEまで。

 

2017.6.16

かゆみの薬

かゆい

じんましん、汗疹(あせも)、アトピーなど皮 膚の病気は、かゆみがでたり、分泌物が出るようになったりします。
「痒みはなかなか我慢できない」とよく言われます。これらの症状は重大でとても苦しめられます。これら皮膚の病気によく知られている漢 方薬としては、消風散があります。
消風散にはかゆみを落ち着かせる効果があり、分泌物がでやすい体質を改善させる薬効があるとされています。この効果により、皮膚の 病気の症状を緩和してくれます。

消風散と体の性質
漢方薬では、個人の所見や症状を重要ととらえています。血液データやレントゲン検査だけではなく、薬を使う人を観察してから「どの薬 をつかえばよいのか」を決めるのが漢方薬の考え方。消風散は以下のような方に適していると考えられます。
・比較的体力のある方
・分泌物の量が多く、湿気のある湿疹
・かゆみの強さが我慢できない
・たまに熱をもつことがある
これらの方、体力が比較的余裕がある方でも、湿潤した湿疹には消風散が使われます。漢方薬では体の性質を重要視するために、たと えばかゆみがある方でも、乾燥肌で、かゆみがあり、体力が比較的少ない方に対しては消風散が使われることはありません。
他にも十味敗毒湯も使われることがあり、これは同じく、じんましん、皮膚疾患、水虫などにも使用され、浸出液の少ない場合に用いられ ます。
ちなみに薬局で製造される薬局製剤には、あせもによく効く「あせも水」があります。
これはいわゆるGL・P・Z液といわれるローションで、収れん作用のある酸化亜鉛、殺菌作用を持つフェノール湿潤性・柔軟性を持たせるグ リセリン、芳香性・清涼感を持たせるキョウニン水を配合した薬です。

 

2017.6.8

蜂窩織炎(ほうかしきえん)

蜂窩織炎の腫れ

蜂窩織炎という病気をご存知でしょうか?
毛穴や傷口から主に黄色ブドウ球菌などが入り込み、皮膚の深いところから皮下脂肪組織にかけておこる化膿性炎症です。
漢方薬としては、次のようなものがよく使われます。

半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
リンパ浮腫から蜂窩織炎を合併した時に用いたりする薬です。
体力のない冷え症の方や胃腸虚弱、水分の代謝を促す作用があり、吐き気の伴うめまい、頭重感などにも使用されます。

防已黄耆湯 (ぼういおうぎとう)
水分代謝が悪く、余分な水分が体に滞っている方の代謝に働きかけてむくみを解消したり、倦怠感を軽減してくれる薬です。
リンパ浮腫から蜂窩織炎を合併した時に患部は腫れて痛みが出ます。これは漢方の考え方で、気の滞りから水分代謝機能も上手く働 かなくなるとされ、体内の気を巡らせることで、余った水分を排出させ、水の流れの改善を図ることで痛みを止め、腫れも治めます。

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
風邪薬で有名な葛根湯にも含まれる麻黄(マオウ)が多く含まれており、関節リウマチ、メニエール病、夜尿症、むくみ、腎臓病、湿疹など に用いられる薬です。
病原菌に作用して熱を下げ、水分代謝を促す働きがあります。

 

2017.6.1

夏バテも婦人病も

夏バテ

初夏に入り、暑さも日に日に厳 しさを増してきました。
今月は夏バテ予防の漢方薬をご紹介します。
「十全大補湯」です。
そもそも、十全とは、完全無欠という意味です。そして、大補とは「幅広く大いに補う」という意味です。ですから、名前からもわかるように、 暑さによって落ちた体力を大いに補ってくれるのです。
気虚(エネルギーの不足の状態)に効果的な漢方である四君子湯と、血虚(血が少ない、もしくは血の質が悪い状態)に効果的な漢方 である四物湯を合わせた方剤が「八珍湯」という方剤ですが、この作用をさらに補い増強するために、ケイヒとオウギが加えられたもの、そ れがが十全大補湯です。
女性でよくあるお悩みや婦人病のことを「血の道症」と言いますが、血虚(血の不足、血の質の悪化)と気虚(エネルギーの不足)を両方 改善することが早期回復に近づくと言われています。すなわち、その両方の作用をもつ十全大補湯は、貧血、お肌のトラブル、顔色不良 など女性のお悩みを初め、病後の体力回復や、夏バテ、お仕事や勉強による疲労にも大変効果的と考えられます。
エビデンスも豊富で、貧血改善効果や免疫増強効果、感染予防効果、発がん抑制効果、抗がん剤の副作用予防効果もあり、さまざま な場面で活躍が期待される漢方薬の一つです。
夏バテ以外にも引っ張りだこの漢方薬、それが十全大補湯です。



   

   <<Back          ---    Next>>  

Net OLiVEオリーブ薬局ネット支店


ご相談やお問合せは
無料ですマウス
森から返信させていただきます

LINEからでもご相談いただけます
友だち追加


送料

QRコード
QRコードを読み取ると携帯サイトが閲覧できます



Facebook
instagram