漢方ソムリエの温故知煎

2019.2.10

風邪の漢方<実証と虚証>

いろいろな風邪症状

節分を過ぎ暦の上では春になりましたが、まだまだ毎日寒いですね。
インフルエンザや風邪も流行しており、油断はできません。そんなわけで、今回は風邪の漢方薬をご紹介します。
まずは研究結果をご紹介、1995年の「日本東洋医学雑誌」に風邪に対する漢方薬と西洋薬の解熱薬の効果を比較検証した結果が出ていました。
風邪で初診時に37℃以上の熱がある人を対象に漢方薬と解熱薬の効果を比較した結果、漢方薬の方が早く下がったという結果が出ていました。
風邪では、体質が実証(体力がある人)と虚証(体力がない人)で出る症状が違います。
症状が激しく現れるのが、実証で、あまり激しく現れないのが虚証。それぞれに応じた漢方薬を選びます。
葛根湯:体力がある人、胃腸が丈夫な人の風邪薬です。風邪の初期に効果的で、肩こり、頭痛にも効果あります。「麻黄」という成分の副作用で不眠、頻脈が起こることがあります。
桂枝湯:体力がなかったり、胃腸が弱かったり、疲れやすい人は病気を「追い出す力」も弱いと考えます。そんな人のための風邪薬。体温が上がりにくいので身体を温めて寒気や痛みをとります。高齢者にもお勧めです。
香蘇散:子供用の風邪薬と言われ、神経質なストレスが多い方に抗ストレス薬としても使われる漢方薬。不眠や不安にも効果があり、副作用が出やすい「麻黄」や「甘草」を含まないので妊娠中の方にも安心して使われます。



2019.2.4

ご相談症例-6

30代女性 太り気味、むくみ

主な症状

身長158cm 体重63kg BMI25肥満(1度)
食べることが好きでとくに揚げ物、麺類、甘い炭酸飲料が好き。
子どもの頃から肉付きが良いタイプだったが、思春期から徐々に体重が増え始め、産後ますます太った。これまでにも食事制限をしたりダイエットを試みたが、なかなか思うようには続かず、ほとんど痩せられなかった。
慢性的な肩こり、便秘がち、暑がり。お腹は触ると硬い。体格がいいといわれる。
漢方薬を試してみたいと思い、メールで相談した。

処   方

まず、比較的無理のない食生活の改善や摂取すべき栄養素についてのご助言をさせていただきました。
それから、体の熱を取り、カロリーの摂りすぎによる脂肪太りの毒を発散・排出に用いる防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)を朝昼夕の1日3回、食前にお飲みいただきました。
この漢方薬はのぼせやすく体力のある方向きのお薬になります。体力のない方に用いると排出のしすぎにより体力を奪ってしまいます。食生活の改善をした上で用いることが肝要です。

煎じ薬服用後

メールでアドバイスをもらって、揚げ物を食べる頻度や炭水化物をこれまでの6〜8割程度に減らし、バランスよくたんぱく質を摂る食事をするよう心がけた。
漢方独特の匂いや苦い味がちょっと難点、今3カ月飲んでみて少し慣れたかも。
飲み始めてしばらくは軟便が続いていたが、それもしだいに改善してきて、毎日ではないが便秘に苦しんでいた頃よりは定期的に出るようになった。足がむくまなくなり、体が軽くなったように感じるのがうれしい。暑くてのぼせることも少なくなったように感じる。今のところ体重は3キロ減。もう少し続けてみようと思う。


2019.1.25

炎症でおこる咳や痰には

咳ぜんそくの人

早くも1月も残り1週間足らずですね。この時期は、口が渇いて呼吸がゼイゼイしたり、咳、痰がなかなか良くならない方も多くおられます。
肺の炎症が原因の場合は、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)がよく使われます。
この漢方薬を使う方には、発汗があることが多いのですが、発汗していないこともあります。主な症状として、炎症性の"ねばっこい痰"が特徴です。それから、比較的胃腸が丈夫で体力のある方向きです。
生薬の「杏仁」や「麻黄」が咳や痰を鎮め、「石膏」は身体を冷やして炎症を抑え、口の激しい乾き止め、「甘草」は全体を調和させます。
咳には麦門冬湯(ばくもんどうとう)が有名ですが、使い分けのポイントとして、麦門冬湯は乾燥性の病態、麻杏甘石湯は炎症性の病態であることを見分けることが大切です。小児喘息にもよく使われています



2019.1.15

気の流れを改善する漢方薬

元気になる

東洋医学で、体のしくみや病気の成り立ちを考えるときに欠かせない概念「気・血・水」。
今日は「気」についてのお話です。
「気」を語る際に登場する言葉で「経絡」(けいらく)という言葉があります。例えば、肩が痛いのに、原因は腰だった。ということありますが、それは身体が経絡でつながっているからだという考え方です。経絡はすなわち「気の流れ」であるとも言われています。このわかりづらい「経絡」すなわち「気の流れ」を体感していただくエクササイズをやってみましょう。
例えば、一度グッと胸を張ってみてください。その時の感覚を覚えておいてくださいね。そのあと、右手と左手をそれぞれの逆の手を使って外側に伸ばしてください。そして、また最初にやったように、胸を張ってみてください・・・・最初に胸を張った時よりも気持ちよく胸が張れることがわかると思います。
手と胸、場所は違いますし、伸ばした部位も関係があるようには思えません。しかし、胸の伸ばした感覚には変化がありました。これも身体が経絡(気の流れ)繋がっているからであるといえます。
漢方では、このように目には見えないですが、気の流れを重視します。
気をめぐりを改善する代表の漢方には半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)というお薬があります。 半夏厚朴湯は気の流れを改善し、ストレスを軽減するお薬で、漢方の安定剤のようなポジションです。特にのどに違和感を感じるような方に効果的です。



2019.1.11

インフルエンザと漢方薬

インフルエンザウイルス

1月に入り、インフルエンザ患者さんが急激に増え始めました。
インフルエンザの治療には、タミフルをはじめ、種々の抗ウイルス薬が用いられます。ただ、これらの抗ウイルス薬には耐性や副作用などの問題も議論されたりで乱用もできません。
そこで最近では漢方薬も見直されるようになり、とりわけ麻黄湯は早期のインフルエンザや風邪によく用いられます。
この麻黄湯、葛根湯よりも強い漢方なので、体力のない方や高齢者に使うことはあまりありません。
"汗の出ていない人"というのが原則で、体力のない人や汗ばんでいる人に用いると、汗が過剰に出て体力を消耗してしまいます。
子どもの風邪や体力のある方の高熱で汗の出ないタイプには、1,2回の服用で熱が下がることが多く、丈夫な子どもさんや若い方にはピッタリの漢方ともいえます。
麻黄を含む漢方薬は、身体を温め、体温を上昇させる作用があります。体温を上げて、ウイルスの増殖を抑える働きがあるんですね。 発熱がウイルスに対する重要な生体防衛反応であることは、実験などでも確認されています。
麻黄湯は、生薬の「麻黄」と「桂皮」で体を温め、汗をたくさん出させることによって熱を下げ、風邪症状を改善していきます。この「麻黄」と「桂皮」には、激しい炎症を引き起こすサイトカイン(細胞から分泌されるタンパク質)の産生を抑える効果も確認されています。また、「杏仁」と「甘草」には免疫賦活作用(免疫力を活発にする)があるという報告もあります。
大阪市立大学の小児科の臨床試験では、風邪やインフルエンザ受診した子ども263人について、「解熱剤を使った102人」と「解熱剤を使わずに漢方薬で治療した161人」とに分け、37.5度以上の発熱期間を比較した結果、前者は一時的に薬が効いて下がることはあっても、37.5度以下で安定するには平均3.47日かかったそうです。
一方で、解熱剤を使わずに漢方薬で治療した子どもの発熱期間は、平均1.99日であったということです。
漢方によって熱を下げた時は、解熱剤で熱を下げた時と違い、気持ちのいいものです。上手に治療すれば、風邪の治りはとても早いのです。

※麻黄湯を用いた後、全く症状の改善が見られない場合には別のお薬を考えなければなりません。



   

   <<Back          ---    Next>>  

Net OLiVEオリーブ薬局ネット支店


当サイトにない漢方薬でもお作りできることもございます。お気軽にご相談ください。
ご相談やお問合せは
無料ですマウス
森から返信させていただきます

LINEからも直接森にご相談いただけます
友だち追加


送料

youtubeへのリンク



Facebook
instagram
QRコード
QRコードを読み取ると
Net OLiVE携帯サイトが閲覧できます