インフルエンザと漢方

インフルエンザと漢方薬

インフルエンザウイルス

1月はインフルエンザ患者さんが急激に増え始める季節。インフルエンザの治療には、タミフルをはじめ、種々の抗ウイルス薬が用いられます。ただ、これらの抗ウイルス薬には耐性や副作用などの問題も議論されたりで乱用もできません。

そこで最近では漢方薬も見直されるようになり、とりわけ麻黄湯は早期のインフルエンザや風邪によく用いられます。

この麻黄湯、葛根湯よりも強い漢方なので、体力のない方や高齢者に使うことはあまりありません。"汗の出ていない人"というのが原則で、体力のない人や汗ばんでいる人に用いると、汗が過剰に出て体力を消耗してしまいます。

子どもの風邪や体力のある方の高熱で汗の出ないタイプには、1,2回の服用で熱が下がることが多く、丈夫な子どもさんや若い方にはピッタリの漢方ともいえます。

麻黄を含む漢方薬は、身体を温め、体温を上昇させる作用があります。体温を上げて、ウイルスの増殖を抑える働きがあるんですね。 発熱がウイルスに対する重要な生体防衛反応であることは、実験などでも確認されています。

麻黄湯は、生薬の「麻黄」と「桂皮」で体を温め、汗をたくさん出させることによって熱を下げ、風邪症状を改善していきます。この「麻黄」と「桂皮」には、激しい炎症を引き起こすサイトカイン(細胞から分泌されるタンパク質)の産生を抑える効果も確認されています。また、「杏仁」と「甘草」には免疫賦活作用(免疫力を活発にする)があるという報告もあります。

大阪市立大学の小児科の臨床試験では、風邪やインフルエンザ受診した子ども263人について、「解熱剤を使った102人」と「解熱剤を使わずに漢方薬で治療した161人」とに分け、37.5度以上の発熱期間を比較した結果、前者は一時的に薬が効いて下がることはあっても、37.5度以下で安定するには平均3.47日かかったそうです。

一方で、解熱剤を使わずに漢方薬で治療した子どもの発熱期間は、平均1.99日であったということです。漢方によって熱を下げた時は、解熱剤で熱を下げた時と違い、気持ちのいいものです。上手に治療すれば、風邪の治りはとても早いのです。

※麻黄湯を用いた後、全く症状の改善が見られない場合には別のお薬を考えなければなりません。

インフルエンザに麻黄湯

悪寒発熱の人

毎年冬にやってくる風邪症状を引き起こすウイルス。今回ご紹介しますのは、「麻黄湯」。太陽病(急性期の初期症状で主に体表部で病変が生じる時)で傷寒(重症で緊証)用いる代表の漢方薬とされています。

具体的には、急性症状で熱がある病態の初期症状に使用します。更に具体的には、悪寒や激しい発熱、頭痛、身体の痛み、関節痛、鼻閉、鼻血など、様々な症状に効きます。また「激しい発熱」「身体の痛み」からピンと来るかもしれませんが、インフルエンザにも効果がある事が証明されています。

漢方組成は麻黄・杏仁・桂皮・甘草からなっています。それでは、それぞれの漢方の作用を見ていきましょう。
麻黄→発汗、鎮咳作用があります。
桂皮→血行を盛んにし、発汗解熱を促します。
杏仁→鎮咳、去痰作用があります。
甘草→これも抗炎症作用があるので、様々な症状を緩和します。
また、生薬同士の組み合わせでも相乗効果があります。

麻黄と桂皮が組み合わさると強い発汗作用を持ちます。麻黄と杏仁と甘草で鎮咳、去痰の作用を強めます。そして甘草と桂皮で消化吸収を補助し、甘草は発汗が過多になるのを防ぎます。

以上の作用から麻黄湯は汗を出させて、病態を治す方向にもっていく漢方だという事が分かります。実証タイプの方に向いていて、普段から病弱な人、子供、老人には使用しません。

ただ、インフルエンザに効くと書きましたが、予防効果はありませんのでご注意を。

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