月経不順(生理不順)/月経前症候群(PMS)/月経困難症/月経痛(生理痛)/治す
月経異常と
漢方煎じ薬
なぜ月経(生理)異常は起こるのでしょうか?
女性が社会で活躍するにつれ、さまざまな場面でストレスがかかりがちな現代です。不規則な生活、仕事や育児のストレス、無理なダイエット、そのリバウンドなどによる急激な体重のアップダウン。そこから、ホルモン異常をきたし、生理不順、生理痛、月経前症候群(PMS)、月経困難症へ…。
実際、体調不良に悩んでいらっしゃる女性の多くは月経異常を伴っていることが多いといわれています。もともと、ホルモン分泌に関係する各臓器の働きが弱いことも一因です。
月経異常が起こりやすい要因
・不規則な生活
・冷え
・仕事や育児のストレス
・無理なダイエット
・喫煙
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ホルモン分泌の異常
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月経異常
月経トラブルを軽く考えてはいけません。子宮や卵巣に悪影響が出たり、老化に影響したりする場合もあります。
月経にまつわる女性のお悩みには次のようなものがあります。
月経不順(生理不順)
月経周期は、<前の月経の初日から次の月経の始まる前日までの日数>で表します。一般的に月経は28〜38日周期で起こり、毎月6日以内のずれなら問題はありません。それより大きくずれる場合あるいは周期が乱れている場合が「月経不順」です。
月経周期が24日以内の状態を「頻発月経」、39日以上の状態を「稀発月経」、3ヶ月間全く月経の来ない状態を「無月経」と呼びます。
月経に関することは個人差が大きいのですが、それゆえに自分が月経不順かどうかすら把握できていない人が多いのが現実。しかし、ホルモンバランスが崩れた状態を放置すると、不妊の原因にもなりかねません。ですから、ご自身の正常な月経周期について知っておくことがとても大切です。
漢方的な考えでは、気のめぐりの悪化(気滞)、もしくは血の不足(血虚)、またはエネルギー不足(気虚)と考えられ、それらに応じた漢方が選択されます。
月経前症候群(PMS)
月経の始まる3日〜14日くらい前から精神が不安定になり、イライラ、怒りっぽい、憂鬱など、また、頭痛、下腹部痛、めまい、眠気、肌荒れ、肩こり、むくみ、胸の張り、下痢、便秘など心身のさまざまな症状が起き、月経が始まると症状が緩和する。これを月経前症候群(PMS)といいます。
これらの不調は、月経の2週間くらい前から起こる急激な女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の変化と熱によって起こると考えられています。月経前の高温期は体内に熱がこもりやすいため、この時期に夜更かしをしたり、ストレスを受けたり、過食したりすることで心身に症状が出やすくなります。
あまりにもひどい場合はホルモン治療なども行われますが、漢方的な考えでは、気と血の停滞からくると考えられ、気と血のめぐりを改善する漢方が選択されます。
月経困難症・月経痛(生理痛)
月経時に下腹部や腰が痛むのが月経痛です。さらに、この月経痛が、仕事や学校を休まなくてはならないほどの痛みであったり、頭痛や吐き気、イライラ、不安感などを伴ったりするものを月経困難症と呼びます。
こういった症状の場合はまず、婦人科的な病気(子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症など)が隠れていないかの確認が必要となります。
漢方的な考えでは、血の乱れによるものと考えます。身体が熱っぽければ血のめぐりが速すぎで、冷えていれば血のめぐりが停滞していると考えます。
女性特有の不調は漢方薬の得意とする分野です
女性の体は男性以上にホルモン分泌の変動があります。月経周期にともなう波や、初潮、妊娠、出産、更年期、閉経などの大きな変動期もあります。
ホルモンの乱れは自律神経の働きと関係が深く、不定愁訴(検査では異常がないにも関わらず、動悸、頭痛、めまい、耳鳴り、のぼせ、イライラ、無気力などのさまざまな身体症状を訴えるもの)が起こりやすくなります。
漢方薬には自律神経系に作用するものが多く、女性の不調に効果を実感しやすいのです。
東洋医学では人の体は「気・血・水」という3つの要素が互いに関わり合い、それらがバランスよく体内を巡ることで生命や機能を維持していると考えられています。
〜月経異常にともなう症状と「気・血・水」〜
気―生命エネルギー
心身の活力、病に対する免疫なども含まれます。
血や水が作られるもととにもなり、循環の調整もする。
気滞(気の流れが停滞する)の状態は、抑うつ傾向やイライラ、不安感があらわれたり、逆流すると、顔の
ほてりや目の充血、動悸などが起こる。
気虚(気の量の不足、働きの低下)は、冷えやすくなったり、気力がなくなったりする。
血―血液とその流れや働き
血液によって運ばれる栄養成分やホルモンなど。
栄養分は気の材料にもなる。
血虚(血が不足する)の状態になると、過少月経、貧血や動悸、皮膚の乾燥やしわができやすくなったり
、爪がもろくなったりする。
瘀血(血が停滞する)は、月経痛(生理痛)、しみ、そばかす、肌荒れ、肩こり、便秘などが起こっ
たり、筋腫や卵巣嚢腫などの固まり状の病変が体内にできたりすることもある。
血熱(血に熱がこもる)は、月経過多や頻発月経、発疹や吹き出物などの皮膚トラブルなどが起こる。
水―体液とその働き
リンパ液、消化液、汗、涙、鼻水、尿などの血液以外の体内の水分。
気や血の機能を支える役割もする。
停滞するとむくみやめまい、頭痛などの原因となる。
3つのバランスが崩れると、身体にさまざま不調が現れてきます。
「気・血・水」の何にどんな異常が起
きているかが、病をとらえる漢方の重要な"ものさし"となります。
ネットオリーブの漢方煎じ薬へのこだわり
もともと漢方薬は、複数組み合わせた生薬を水に浸し、グツグツとじっくり煮出したエキスを飲むお薬です。
一方、漢方エキス製剤は、煮出した煎じ薬の水分を取り除き、特殊な製造工程を経てエキス成分を取り出し、製剤されています。
この製造過程において、エキス製剤は本来の有効成分が減少してしまうため、効果が感じられにくいということがいわれています。
漢方煎じ薬は、生薬そのままの有効成分が体内に効果的に吸収されるため、高い効能効果が得られます。煎じる手間はかかりますが、
本来の漢方薬の効果を感じていただきたい、これが私どもネットオリーブのこだわりです。
メリット | デメリット | |
煎じ薬 |
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エキス製剤 |
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月経異常の改善におすすめしたい漢方薬
西洋医学ではこうした月経異常の背景にはホルモン分泌の異常があると考えられており、ホルモンの変化に合わせたホルモン薬な
どが処方される場合もあります。
一方、漢方薬として多く登場する代表的なものは、「桂枝茯苓丸」「加味逍遙散」「当帰芍薬散」で、女性特有のさまざまな症状に効果
があり、「産婦人科の三大漢方」といわれます。
また「温経湯」という漢方薬があり、これは「証」を問わず用いられます。
月経痛がひどい場合は、頓服的に「芍薬甘草湯」が用いられます。
ガッチリタイプで下腹部の痛みや便秘が伴う場合は「通導散」が最適です。
タイプ | 全身の症状・体質 | おすすめの漢方 |
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のぼせて下腹部痛があるタイプ |
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桂枝茯苓丸 血行を正して、上半身ののぼせや手足の冷えを改善します。 更年期障害や冷え症、他にもニキビ、湿疹、しみ、クマなどの皮膚の症状にも用いられ、美容の漢方としても有名です。 |
イライラしてのぼせがあるタイプ |
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加味逍遙散 血行を正し、血の不足を補い、身体を温め、上半身の熱を冷まし、精神不安を鎮めま す。 イライラを伴う更年期障害によく用いられ、自律神経失調症などにも用いられます。 |
貧血で冷えが強いタイプ |
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当帰芍薬散 当帰や茯苓などが体力を保たせ、めまいやむくみにもよい効果をもたらします。 血を補い、巡りを良くします。 体を温めるので、冷え症、不妊症、更年期障害、腰痛、むくみの改善にもよく用いられ、ニキビやしみな どの皮膚症状にも効果があります。 |
皮膚や唇が乾き、手はほてるタイプ |
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温経湯
血流の改善をして、冷えた手先を温め、皮膚を潤します。 下半身の冷えと上半身の熱を治療する漢方で、不妊症、頭痛、冷え症、更年期障害、不眠などにも用いられます。 |
ガッチリしていて、下腹部の痛みや便秘が伴うタイプ |
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通導散
便通を良くしたり、血流の改善をしたり、イライラや精神不安を落ち着かせる効果もあります。 女性ホルモンのバランスを整える作用もあり、更年期障害、頭痛、肩こり、腰痛にも用いられます。 |
※科学的に証明されている薬理作用について
◆桂枝茯苓丸の動物を用いた研究結果- マウスにおける子宮筋腫の発症抑制
- ラットにおける皮膚温上昇効果
- ラットにおける血管拡張の抑制⇒更年期障害に対する作用
- ヒトにおける顆粒膜細胞のエストラジオールおよびプロゲステロンの分泌促進及び更年期障害患者における血液粘度の低下報告
- ラットにおける性周期の回復、子宮重量の増加、排卵誘発作用、胎児発育促進作用
月経異常の漢方薬に関するよくあるご質問
Q.どのくらいの期間続けて飲めばいい?
月経に関する体質の改善は、ゆっくりと効果が現れだします。まずは1カ月続けてみて下さい。
月経前症候群(PMS)や月経痛では、服用し始めてから最初の月経で「かなり楽になった」といわれる方もあります。
体質や症状などは個人差があるため、はっきりとした期間を区切ることはできませんが、きちんと血の巡りや不足の改善するには3~4カ月
服用することをおすすめします。
迷われましたら、当店薬剤師に遠慮なくご相談ください。
Q.複数の漢方薬を併用して飲んでもいい?
漢方治療では、複数の漢方薬を組み合わせて用いることもあります。
注意したいのは「甘草(カンゾウ)」という生薬が重なっていないかです。甘草には水をため込む作用があるので、総量が多くなると、むくみ
(尿量減少)や血圧上昇や血液中のカリウムを減少させるなどの副作用が出やすくなる恐れがあるので注意が必要です。二つ以上の薬
を飲むような場合には、甘草が合計して何グラムになるのかに注意して、安全な範囲で用います。
上記の漢方薬の中では、加味逍遙散、温経湯、通導散に「甘草」が含まれています。
ご購入前に当店薬剤師がきちんと併用薬のチェックをさせていただいています。
Q.副作用はある?
漢方薬もお薬です。「証」(体質やタイプ)の合わない漢方を服用したり、誤った服用をすることで副作用が出たり、アレルギー症状が
出ることもあります。
それらをできるかぎり未然に防ぐため、ご購入の際には薬剤師が体質や既往歴などをお伺いしています。
ご自身の体力や体質に合った漢方薬を選んでいただくことも重要です。
養生も大事
運動・食生活・睡眠が大切になります。
運動
日頃から適度な運動を心がけましょう。
積極的に摂りたい食材
豆類、緑黄色野菜、海藻類、種実類
できるだけ避けたい食材
油、砂糖、食塩、カフェイン、アルコール、添加物
バランスが大事です。
※ヨモギの効能
ヨモギは月経トラブルに高い効果があります。煮汁を飲んだり、蒸して蒸気を下半身に当てると痛みや出血過多に効果があります
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