胃と漢方

親孝行の生薬

人参

今日は親孝行と「人参湯」のお話です。もともと人参は数千年前から病気の治療や健康増進に多くの方がたに使われてきた植物です。栽培ができるようになるまでは野良のものしかなく、日本ではそれはそれは大変高価なものでした。

そもそも、なぜ「人参」という名前なのか…?それは、根っこの形が人の形に似ているということで人参と呼ばれているのだとか。

朝鮮人参と言われたりするおおもとの朝鮮においてさえも、簡単には見つからなく、奥深い森の中に自生ししているそうです。一説には人の目を避けるために、人参が意思を持ち、自ら移動してしまうのではないかという逸話まで残っているとか。また、親孝行者や正直者にしか見つけられないという、伝説さえもあるようです。

そんな人参含有の 人参湯は、体力がなくて胃腸が弱っている人の食欲不振によく用いられます。極端に体力がない方でなければ、一時的な食欲不振は六君子湯が、また胃酸の逆流がある方は安中散がおすすめです。

 

若返りのホルモン

若返り

4月は桜の最盛期を迎え、お花見や新入生歓迎会などの機会も多くなるシーズンですね。今回は「若返りホルモン、グレリン」についてのお話しを。

若返りと聞くと、興味がわく方もいらっしゃるかと思いますが、”空腹を感じて、お腹がグーっと鳴るときに出るホルモン”が若返りホルモン「グレリン」です。ゴボウ茶でおなじみの南雲先生も著書にて空腹の時に若返るとおっしゃっていましたが、グレリンは空腹時に分泌されるホルモンで、空腹時を長く保てばより分泌が高まるそうです。

しかし、空腹を我慢するなんて辛いことをしなくても、グレリンの作用を高めることができる漢方があります。それは六君子湯

六君子湯は、グレリンに対し、多彩な作用を発揮します。含有生薬のチンピ、カンゾウはグレリンを分泌させる作用があります。 ソウジュツはグレリンの効果を高める作用、そして、ブクリョウ・カンゾウ・ショウキョウは体の中でグレリンを分解させない作用があります。すなわち、グレリンの効果をトータルで高める精鋭が大集合しているのです。

六君子湯は、そもそも、次のような方に大変お勧めです。
暴飲暴食により胃が弱り、食欲がなくなり、胃荒れを起こしているような方。
そうです、宴会続きのこのシーズンにもってこいの漢方薬です。
残念なことにグレリンはストレスや加齢で減少します。ストレスが多い、現代社会で活躍するためにも、若返りもかねて、一度お試しください。

お腹の痛みには安中散

飲み会

飲み会があった時など、食べ過ぎや飲み過ぎにより、胸やけが起こり、胃が荒れて炎症が起こると胃痛、腹痛が起こります。このような症状を改善するのが「安中散」です。

安中散の適用はやせ型で、腹部筋肉が弱く、胃痛、腹痛があり、ときに胸やけ、ゲップ、食欲不振、吐き気などを伴うような、神経性胃炎、慢性胃炎、胃アトニ―、また、生理痛や胸痛、つわりにも効果があります。

「延胡索(えんごさく)」という成分に鎮痛効果があるのですが、この延胡索が入っているのがなんとメジャーな漢方薬の中では、安中散だけなのです。この鎮痛効果がある延胡索は、胃痛にはもちろんのこと、生理痛などの婦人科系の痛みにも効果的なのです。また「桂皮(けいひ)」含有なので、気も鎮まり、身体を温める効果もあります。

虚弱なタイプの方用です。ちなみに、吐き気を伴うような胃痛とありますが、すでに吐いている症状には無効ですので御注意くださいね。

六君子湯

胃もたれ

六君子湯は脾胃気虚のお薬です。分かりやすく言うと、胃腸が弱っている方へのお薬です。構成生薬としましては、人参、白朮、茯苓、半夏、陳皮、甘草、生姜、大棗の8種類。

他の漢方薬から解析してみると、
<人参、白朮、茯苓、甘草⇒四君子湯;補気剤のベース薬、消化管、呼吸器機能を高めます>
<半夏、陳皮⇒二陳湯;胃の中にとどまる余計な水分を除いて痰を取り去る>
<生姜、大棗⇒消化を助け、他の生薬の吸収を促進させます>
となります。簡単に言ってしまえば胃腸薬です。

証の視点から見てみると「脾気虚(ひききょ)」の方に適しています。脾は消化機能を意味します。脾気虚というのは、何らかの原因で気力が衰え、疲れやすく、食欲が減退しているような方を指します。また、分かりやすい症状として「胃部振水音」という言葉があります。これは動いたときや胃の辺りを叩いた時に、チャプチャプと胃の辺りで音がすることです。この胃部振水音は日本人に多いといわれています。

これは、以下の様な事が引き起こす要因となります。
・水分の摂り過ぎ
・生ものや冷たいものの摂り過ぎ
・胃腸を冷やす
・食べ過ぎ

以上の様に胃腸が冷やされたり、大量の水分が入ってくると脾の動きが低下する。そして余分な水分が溜まりやすくなります。そして、また脾の機能低下を招き、悪循環に陥ります。

そんな状態に「六君子湯」はピッタリなのです!年末、正月と食べ過ぎて、ちょっとお腹の調子がすぐれないあなた!是非この漢方をお試しください。

また、慢性的な胃炎のある方、小児の消化不良による下痢、食欲不振、胃腸虚弱による疲労感、めまい、肩こり、神経症(不眠など)と、胃腸の不調に基づいた疾患にも使用できますのでお気軽にご相談ください。

グレリンと六君子湯

食欲不振

「グレリン」というタンパク質が注目されています。主に胃から分泌されているペプチドホルモンで、成長ホルモンを分泌させるなど多様な薬理作用を持ちます。なかでも期待されているのが、胃の調子を改善し、食欲を正常化させる働きです。

前にご紹介した六君子湯という漢方薬ですが、古くから食欲不振を改善する効果が知られるお薬です。最近の研究で、この「六君子湯(りっくんしとう)」は、グレリンの分泌を促進する作用があることが明らかになりました。セロトニンという物質により、グレリンの働きが抑えられ、飯を食べさせないようにするのですが、六君子湯がセロトニン受容体を抑えることで、グレリン分泌が戻ってくるというのがそのメカニズムなのだそうです。

ガンなどの病気や治療により、副作用で食欲不振が続く低栄養状態も改善します。胃酸の逆流などにも効果があります。
漢方薬のメカニズムが解明され、活躍の場が増えます。

橙の効能

だいだい

「吾妹に(わぎもこに)
      逢わず久しも(あわずひさしも)
            うましもの
  阿部橘の(あべたちばなの)
      苔生すまでに(こけむすまでに)」

万葉集に上記の歌があります。

そのこころは、「愛しい彼女にもう長く逢っていない。あの美味しい阿部橘に苔が生えるほど長い間・・」という意味です。
ここで注目していただきたいのは愛しい彼女ではなく、阿部橘とは何かという点。阿部橘とはあべたちばな、橘、すなわちダイダイ(橙)です。ダイダイはご存知の通り、果実が年を越しても落ちず、2.3年なり続ける。代々続く、縁起ものとしてお正月飾りなどに使われるあれです。

鏡餅にミカンをのせることもあるが、本当はダイダイでないと縁起の意味はないという。そもそもなぜ阿部橘なのかというと、阿部とは現在の奈良県桜井市阿部のことで「阿部で採れた橘=橙」が大変おいしかったそうなんですね。

ダイダイの未熟果実を乾燥させてできた生薬はキジツ(枳実)といい、胃の調子を改善し、お通じをよくする効果があり、腹痛や膨満感などに使われます。「四逆散」に使われる構成生薬です。

 

六君子湯

元気のない人

今日は六君子湯についてご紹介したいと思います。
四君子湯(ソウジュツ・ニンジン・カンゾウ・ブクリョウ)という漢方薬ににハンゲとチンピを加えたものが六君子湯です。実際にはあと2種、タイソウとショウキョウも入ります)
ソウジュツ・ブクリョウは水はけを改善します。
ニンジンは滋養強壮。
チンピとハンゲは胃の運動を助け、吐き気を抑えます。
次のような方に合っています。
胃腸が弱く、食欲がない、胃がもたれる、体力がない、疲れやすい、寒がりで、元気がなく、いつものどの渇いており、舌は湿って厚い白い付着物、白苔[はくたい]がついており、歯型がつきやすい。
六君子湯は、胃の中を温め、余分な水を排出します。冷えを改善し、水はけがうまくいくことで、体重が減り、体型がスッキリします。
水はけをよくすることは、ダイエットにもつながりますよ。

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