花粉症・アレルギー性鼻炎と漢方
花粉症を根本から楽にする漢方と食養生|鼻水・くしゃみの原因は「腸」と「冷え」
毎年、春が近づくと憂鬱になる花粉症。マスクや手洗いでの対策は欠かせませんが、
「薬を飲んでも鼻水が止まらない」「眠気がつらい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
漢方では、花粉症のつらい症状の原因を、体内の「冷え」や「熱のこもり」、
そして余分な水分が溜まった「水毒(すいどく)」の状態にあると考えます。
水の巡りを整えることで、溢れ出る鼻水やくしゃみを防ぐアプローチをしていきます。
■水のような鼻水、くしゃみが止まらない「冷え」タイプ
体が冷えて水が溜まっている方には、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)がおすすめです。
体を温めながら余分な水を排出し、鼻の症状を素早く抑える即効性が期待できます。
■鼻詰まりがひどく、熱っぽさを感じる「熱」タイプ
鼻水がサラサラしておらず、ズルズルと詰まりやすい方は、体内に熱がこもっているサインです。
このタイプには、熱を冷まして鼻の通りを良くする葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)が適しています。
また、花粉症を根本から楽にするために忘れてはならないのが「食養生(食事)」です。
アレルギー症状は免疫機能の乱れから起こりますが、その免疫と密接に関わっているのが「腸」です。
年末年始の暴飲暴食や、バレンタインのチョコレートなどの高カロリーな食事、
糖質・脂質の摂りすぎは、私たちが思う以上に腸へ大きなダメージを与えています。
腸内環境が乱れた状態で花粉の季節を迎えると、アレルギー症状はさらに悪化してしまいます。
対策として、まずは「腹八分目」を心がけ、和食中心の生活に戻して腸を労ってあげてください。
冷たい飲み物や甘いものを控え、腸内環境を整えることが、花粉症に負けない体質作りの第一歩です。
つらい季節を快適に過ごすために、漢方の力と日々の食事改善を組み合わせて、
内側からアレルギーに負けない体を目指していきましょう。
秋の鼻炎と「水毒」|鼻水を根本から抑える漢方の知恵
秋の花粉症は、ブタクサやヨモギといった背の低い「草本(そうほん)花粉」が原因です。
スギやヒノキと同様、鼻水やくしゃみ、目のかゆみを引き起こし、
時には肌荒れや皮膚のかゆみにまで発展することもあります。
漢方では、こうした鼻炎症状の背景に「水毒(すいどく)」があると考えます。
水毒とは、体内の水分代謝が滞り、余分な水が溜まって悪さをしている状態のこと。
溢れ出る鼻水は、まさに体内の「余分な水」を外に出そうとする反応なのです。
水毒のサインとして知られるのが「胃内停水(いないていすい)」です。
胃のあたりを軽く揺らした時に「ピチャピチャ」と水の音がする方は要注意。
体内の水はけが悪く、鼻炎やくしゃみが悪化しやすい体質といえます。
そんな水毒タイプの鼻炎に最適なのが、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)です。
「青竜」とは中国神話の守護神。構成生薬である「マオウ」の青色にちなんで名付けられた、
2000年以上前から水の巡りを整えてきた歴史ある処方です。
小青竜湯は体を内側から温め、鼻水、鼻づまり、咳や痰をスッキリと改善します。
体力中程度の方に適しており、眠くなる成分が入っていないのも嬉しい特徴です。
生薬の力がダイレクトに届く「煎じ薬」なら、より確かな実感が期待できます。
なお、主成分の「マオウ」により、稀に動悸や寝つきにくさを感じる場合があります。
その際は服用回数を減らすなどの調整で対策できますので、ご安心ください。
秋のムズムズを我慢せず、漢方の力で内側から水の巡りを整えていきましょう。
アレルギー性鼻炎の漢方薬|仕事の効率を下げないためのタイプ別対策
ある経済誌の調査によると、仕事の生産性を大きく引き下げる要因として「アレルギー性鼻炎」が注目されています。
メンタル不調や心臓・呼吸器のトラブルに次ぎ、鼻炎は業務効率を約4%も低下させると言われています。
一見数値は低く見えますが、罹患率の高さから考えれば、花粉シーズンは社会全体で最も大きな経済損失を招いていると言っても過言ではありません。
ボーッとする頭、止まらない鼻水は、単なる体調不良を超えて「ビジネスのリスク」なのです。
つらい症状を根本から整えるためには、自分の症状に合った漢方薬を正しく選ぶ「鑑別(かんべつ)」が重要です。
今回は、アレルギー性鼻炎に効果を発揮する代表的な煎じ薬の使い分けをご紹介します。
1. 熱っぽさや頭痛を伴う初期の鼻炎に
葛根湯(カッコントウ)
風邪の引き始めだけでなく、炎症を伴う鼻炎にも有効です。体を温め、首筋や肩のこりを伴う症状を和らげます。
2. 水のような鼻水や透明な痰が続くときに
小青竜湯(ショウセイリュウトウ)
体内の余分な水分「水毒」を排出し、鼻の蛇口を閉めるように症状を抑えます。眠くなる成分を含まないのも大きな利点です。
3. 鼻づまりがひどく、粘膜が赤く腫れている状態に
葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)
慢性的な鼻づまりに強く、鼻の特効薬と言われる生薬「辛夷(しんい)」が、塞がった鼻の通りをスッキリと改善します。
4. 鼻に熱感があり、膿のような鼻水が喉に落ちる場合に
辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)
鼻の奥に熱がこもっているタイプに適しています。辛夷(しんい)が鼻を通し、他の生薬が炎症を鎮めて粘り気のある鼻水を抑えます。
3と4に配合されている「辛夷(しんい)」は、鼻の疾患における守護神のような存在です。
また、4以外の処方には体を温める「麻黄(まおう)」が含まれています。
胃腸が極端に弱い方や、ひどく体力が落ちている方は服用に注意が必要ですので、専門家へご相談ください。
最後に、鼻炎を悪化させないための「食養生」も非常に大切です。
唐辛子などの香辛料は粘膜を刺激して鼻炎を誘発します。
また、甘いものや乳製品は体を冷やし、漢方でいう「水」の停滞を招いて症状をひどくさせます。
「いつもの事だから」と諦めず、体質に合った漢方と食事の見直しで、仕事もプライベートも快適に過ごせる体作りを始めましょう。
成分がダイレクトに届く「煎じ薬」なら、長年のお悩みにも新しいアプローチが可能です。
眠くならない花粉症対策|小青竜湯で鼻水・くしゃみをスッキリ改善
2月から3月にかけて、つらく憂鬱な季節を感じる方も多いのではないでしょうか。
実は春の花粉飛散数は、前年夏の「気温・日照時間・降水量」に大きく左右されます。
猛暑で雨が少なかった翌年は、スギやヒノキの花芽が多く形成され、飛散量が急増するのです。
「薬を飲むと仕事中に眠くなる」「口の渇きがつらい」とお悩みの方に朗報です。
そんな方におすすめなのが、眠くなる成分を一切含まない漢方薬、
小青竜湯(ショウセイリュウトウ)です。
市販の花粉症薬によくある眠気やぼんやり感、口の渇きといった副作用の心配がありません。
名前の由来は、東方を護る守護神「青竜」から。構成生薬である「麻黄」の青さにちなんでいます。
集中力を維持したい仕事中や運転時でも、安心してお飲みいただける頼もしい味方です。
小青竜湯は、特に以下のような「水の巡り」の異常による症状に効果を発揮します。
・蛇口をひねったような、サラサラした鼻水やくしゃみ
・目のかゆみ、涙目、水分の多い痰(たん)
・アレルギー性鼻炎や気管支喘息、感冒(風邪)
一時的な症状緩和だけでなく、体を内側から温める効果があるのも漢方ならではの強みです。
冷えが原因で鼻炎が悪化しやすい方の「体質改善」として、長期的に愛用されることもあります。
成分がダイレクトに届く「煎じ薬」で、花粉に負けない健やかな体作りを始めましょう。
花粉症とマオウ

オリーブ薬局のお隣りは耳鼻科さん。花粉の時期は、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、目のかゆみ、喉の痛み、皮膚のかゆみ…などの患者さんが多く来られます。
花粉症は免疫反応の一種です。飛散した花粉を吸いこむことで起こるアレルギー反応ですが、花粉症を発症させる原因として、自動車の排気ガスによる大気汚染、ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれる微粒子(DEP)、ガソリンエンジンから排出される窒素酸化物(NOx)、黄砂などが関与しているという説もあります。
花粉症はどのように発症するのでしょうか。
体はスギなどの花粉を異物と認識すると、花粉に対するIgE抗体をつくります。これらの抗体は目や鼻の粘膜にある肥満細胞の表面に付着します。再度花粉が侵入すると、花粉はこのIgE抗体と結合し、肥満細胞はヒスタミンなどの化学伝達物質が放出します。この化学伝達物質が鼻の粘膜に作用して、くしゃみ、鼻みず、粘膜の腫れなどの症状を引き起こすということです。
西洋医学の内服薬は、主にヒスタミンの鼻粘膜に対する作用を遮断する抗ヒスタミン薬や、肥満細胞からヒスタミンが放出される過程を遮断する抗アレルギー薬が使われます。とてもよいお薬もありますが、副作用として少なからず眠気やのどの乾燥などがありますね。
そこで漢方薬です。例えば「小青竜湯」や「葛根湯加川芎辛夷」などの花粉症に用いられる漢方薬には「マオウ」という生薬が使われています。
マオウには抗アレルギー作用があり、肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑制する作用があります。またマオウは鎮痛、鎮咳、抗炎症作用のあるエフェドリンも含んでおり、眠気覚ましのような効果も持ち合わせています。
ただし、マオウには心臓疾患や腎障害、高血圧などの方には、充分注意が必要ですのでご相談ください。このように漢方薬を構成する生薬ひとつとっても、様々な効果を併せ持っています。
また漢方薬は、症状を抑えるだけでなく、冷えや水分代謝を整えることで、アレルギー反応をを起こしにくい体質に導きます。西洋薬では眠くなって困る、体質から改善したいとお考えの方は、一度漢方薬をお試しになってください。
小青竜湯は肺・気管支炎にも有効

漢方薬の小青竜湯、花粉症に効果があるといわれており、急性肺炎、急性気管支炎にも有効であるともいわれています。
国立東京第二病院小児科において肺炎もしくは気管支炎と診断された53人に対して行った研究です。
12人には小青竜湯(0.1g/kg)を内服させ、ほかの41人を対照としました。両群とも西洋医学的治療を同様に行いました。結果は解熱に要した日数は小青竜湯使用群は平均12日、対照は23日、有意に差がでたということです。
(参考文献:安達原華子ほか:湿性ラ温を伴う急性肺炎、気管支炎の小児にたいする小青竜湯の効果より)

















