咳と漢方

炎症でおこる咳や痰には

電車で咳をする男性

冬は空気が乾燥し、咳や痰がなかなか治まらなかったり、呼吸をするとゼイゼイしたりする方も増えてきます。
そんな咳が強く、ゼイゼイする、のどが渇くといった症状に用いられる漢方の一つが、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)です。

麻杏甘石湯は、比較的体力があり、咳が強く、ときにのどの渇きや喘鳴(ぜんめい)がみられる方に適しています。
咳き込んだときに顔が赤くなったり、頭や顔に汗をかいたりすることも、処方を選ぶ際の参考になります。また、痰を伴う場合には、サラサラした痰というよりも濃く粘りのある痰がみられることがあります。

構成生薬は、麻黄(マオウ)・杏仁(キョウニン)・甘草(カンゾウ)・石膏(セッコウ)の4種類です。
麻黄と杏仁は咳や喘鳴を鎮める方向に働き、石膏は漢方でいう身体にこもった「熱」を冷ますために用いられます。甘草が加わることで、それぞれの生薬の働きを調和させています。

麻杏甘石湯は、咳、気管支炎、気管支喘息などに用いられ、一般用漢方製剤では小児ぜんそくも効能に含まれています。
ただし、呼吸が苦しい、喘鳴が強い、高熱が続くといった場合には、漢方だけで様子をみるのではなく医療機関を受診することが大切です。

咳の漢方としてよく知られているものに、麦門冬湯(ばくもんどうとう)があります。
どちらも咳に用いられますが、使い分けには症状の違いがあります。

麦門冬湯は、のどが乾燥してイガイガし、痰が少ない、または痰が粘って切れにくく、激しく咳き込むような「乾燥」が目立つタイプに向いています。
一方、麻杏甘石湯は、咳が強く、ゼイゼイとした喘鳴やのどの渇きがあり、熱感を伴うようなタイプに用いられます。

同じ「咳」でも、乾燥してコンコンと咳き込むのか、ゼイゼイして熱感や口の渇きを伴うのかによって、適した漢方は異なります。
長引く咳にはさまざまな原因がありますので、ご自身の症状にどちらが合うのか迷われた場合は、お気軽に薬剤師へご相談ください。

なかなか治らない風邪のあとの咳

夜中にせき込むおじいさん

朝晩が冷え込み、昼間との寒暖差が大きくなる季節は、風邪をひいたあとに咳だけが残ってなかなか治らないという方も多くいらっしゃいます。

そんな、のどが乾燥してムズムズする、痰が少ないのに咳がこみ上げてくる、痰が粘って切れにくいといった症状に用いられる漢方が、麦門冬湯(ばくもんどうとう)です。

麦門冬湯は、痰が少ない、または痰が粘って切れにくく、激しく咳き込むようなタイプに向いています。
のどに乾燥感があり、「コンコン」と乾いた咳が続く方や、風邪の熱は下がったのに咳だけが残っている方にも用いられます。

夜、布団に入ってから咳がこみ上げて眠れなかったり、夜中や早朝に咳で目が覚めてしまったりするのはつらいものです。
また、会議中や映画館など静かな場所で、急に咳がこみ上げて困った経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

麦門冬湯は、麦門冬・半夏・大棗・人参・甘草・粳米の6種類の生薬から構成されています。

主薬の麦門冬(ばくもんどう)は、漢方では乾燥したのどや気道を潤し、咳や切れにくい痰を改善するために用いられる生薬です。
半夏は、こみ上げてくるような咳や痰を整える方向に働き、人参・大棗・甘草・粳米などは、身体や胃腸を支えながら処方全体の働きを整えます。

麦門冬湯は、体力が中等度以下で、のどの乾燥感があり、痰が少ない、または痰が切れにくい咳が続く方に適しています。
気管支炎や気管支ぜんそくなどにも用いられる漢方薬です。

以前ご紹介した麻杏甘石湯も咳に用いられますが、使い分けには違いがあります。
麦門冬湯は、のどが乾燥し、痰が少ない、または粘って切れにくい咳に。
麻杏甘石湯は、咳が強く、ゼイゼイとした喘鳴や熱感、のどの渇きなどを伴う場合に用いられます。

同じ「咳」でも、乾燥しているのか、痰が多いのか、喘鳴があるのかなどによって選ぶ漢方は異なります。
咳が長引いている場合や、息苦しさ、発熱などを伴う場合には医療機関の受診も大切です。

「風邪は治ったのに咳だけ残っている」「乾いた咳が続いてつらい」という方は、症状や体質に麦門冬湯が合うかどうか、お気軽に薬剤師へご相談ください。




掲載外の漢方薬もお作りできることもございます。また、服用後のご質問もお伺いします。お気軽にご相談ください。
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