口内炎と漢方
口内炎にも漢方薬
飲み会シーズンなど、暴飲暴食をすると胃腸が荒れやすくなります。そういうときには口の中にも口内炎などができてしまって、困った経験はないでしょうか?今日は口内炎によく効く半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、という漢方薬についてご紹介したいと思います。
この半夏瀉心湯は,もともとは胃腸炎の薬でもあり,身体の粘膜の状態を整えてくれるという効果があります。口内炎は自分でも治ったか治ってないかがよくわかるのでこの半夏瀉心湯は重宝されます。
口内炎は例えるならば、粘膜が荒地になった状態。半夏瀉心湯はその荒れた状態に補水して、草木をはぐくむ、荒地を甦らせる作用があるというイメージです。今はこの作用のメカニズムの解析も進んでいます。
1.プロスタグランジンE2の産生を抑制することで、抗炎症作用を発揮する
2.口内炎の起因となるフリーラジカルを除去する
3.鎮痛作用や抗菌作用により症状が緩和、改善する
ということがわかっています。
フリーラジカルを除去する点に関しては、老化対策としても注目されていますので、半夏瀉心湯の可能性が広がります。
※フリーラジカル:紫外線や環境ホルモン、ストレスなどの有害環境によって発生し、老化の原因となる分子や電子。
甘草湯は忘憂湯(ぼうゆうとう)
「甘草湯」は中国の古典医学書「傷寒論」に収載されている『甘草(カンゾウ)』だけが含有された漢方です。のどの痛みや咳があるときにたいへん効果的です。
甘草には生甘草と炙った甘草の炙甘草(シャカンゾウ)があり、炙甘草は体力を補い、不整脈や動悸、胃腸を改善する作用があり、生の甘草には 消炎作用、化膿症状に効果的、特に口内炎にはとてもよく効きます。
服用したらすぐに効果が発現することから「忘優湯」(ぼうゆうとう)とも呼ばれています。つまり「憂い(うれい)」を忘れることからその名がつけられたそう。つらい口内炎にお試しください。
また、のどの奥にできた口内炎には甘草に桔梗も加えた「桔梗湯」がお勧めです。口内炎時は、煎じ液を冷ましてから、うがいをするようにしてちびちび飲むのが通(ツウ)の飲み方です。