貧血と漢方
貧血の漢方薬
貧血は女性、特に月経のある世代では決して珍しいものではありません。過去の国民健康・栄養調査でも、20〜40代女性では約2割前後に貧血がみられ、さらに貧血になる一歩手前の「鉄不足」まで含めると、かなり多くの女性が鉄不足の状態にあることがわかっています。
貧血といえば、「朝礼で倒れる」「ちょっと顔が青白い」といった軽いイメージを持たれがちですが、実は身体全体に影響するものです。貧血と侮るなかれ。
血液中の赤血球には「ヘモグロビン」という成分があり、肺で取り込んだ酸素を身体の隅々まで運んでいます。貧血になると、この酸素を運ぶ力が低下するため、身体の細胞が十分に働きにくくなります。
そのため、身体がだるい、疲れやすい、めまいがする、息切れがする、動悸がするといった症状だけでなく、集中力が低下したり、気分がすぐれなかったりすることもあります。
また、心臓というのは健気なもので、貧血によって身体へ運ばれる酸素が少なくなると、「もっと血液を送らなければ」と一生懸命働こうとします。そのため動悸や息切れが起こり、貧血が強い状態や長く続く状態では、心臓への負担が大きくなることもあります。
このように軽く考えたくない貧血ですが、漢方薬にも「貧血」を効能として持つ処方があります。
貧血の症状に加えて、疲れて元気が出ない、食欲がない、手足が冷える、病後などで体力が落ちているといった方に用いられるのが、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)です。
十全大補湯は、人参・黄耆・白朮・茯苓・当帰・芍薬・地黄・川芎・桂皮・甘草の10種類の生薬からできています。
漢方では、不足した「気」と「血」の両方を補う代表的な処方と考えられています。当帰・芍薬・地黄・川芎など「血」に関係する生薬に加え、人参や黄耆など、疲れや体力低下を補う方向に働く生薬が配合されています。
そのため、単に検査値として貧血があるというだけではなく、「貧血+疲れやすい+冷える+元気が出ない」といったタイプに適した漢方と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、貧血の中でも最も多い「鉄欠乏性貧血」は、月経による出血、食事からの鉄不足、消化管からの出血などによって身体の鉄が不足して起こります。この場合は、原因を確認し、必要に応じて鉄剤などで鉄を補う治療が基本になります。
つまり、漢方薬を飲めば貧血の原因を調べなくても
















