風邪薬のお話
風邪と耐性菌
風邪に抗菌薬は必要でしょうか?抗菌薬の乱用による弊害のひとつは、耐性菌です。耐性菌は、抗菌薬を頻繁に使うと発生します。その抗菌薬では死なない、すなわち抵抗を持った菌が発生するのです。そして、その耐性菌の繁殖により、皮膚の炎症などを引き起こし、またひどいときには肺炎や髄膜炎を起こし深刻な状態にもなりかねません。
WHO(世界保健機関)は、世界中で抗生物質の適正な利用を呼びかける「抗菌薬啓発週間」を初めてスタートさせました。日本でも国立国際医療研究センターの国際感染症センターが中心となり、医師や私たち市民に対して適正使用を呼びかけています。私たちの心がけ次第で耐性菌が増えるスピードを抑え、今ある抗菌薬で効果的に治療成果をあげ続けることができるようです。
抗菌薬啓発週間2015による「4原則」というものがあります。
- 求めない
医師が必要と考えていないのに、抗菌薬を求める患者さんがいます。できるだけ、症状に対して効果 のある薬だけをもらいましょう。 - 飲むなら最後まで
もらった薬は残さず飲みきること。その細菌を殺すために、適切な量や日数が処方されています。症状が良くなったとしても最後まで飲み切りましょう。 - もらわない
親切心からか、家族やお友達に、自分がもらった薬をあげようとする人がいませんか?処方薬を くれそうな人がいたら、丁寧にお断りしてください。 - あげない
(3)の逆です。