【イライラ・ストレス・うつ・不安】心と漢方

逍遙(しょうよう)

気があがる

今回のテーマはこちら。「逍遙」(しょうよう)。なんだかよくわかんない?って感じですかね。逍遙(しょうよう)という言葉の意味は、「気の向くままに、そこここを歩く」という意味です。また、「気ままに楽しむ」という意味もあります。

この「逍遙」という言葉が入って、「色々な症状から解放されて、快適になる」という意味のこもった漢方薬があるのです。
それは「加味逍遙散(かみしょうようさん)」です。

加味逍遙散は全身に大切な栄養を与え、血行を良くするのと同時に、水分代謝を整えることで余分な水分を体からとり除いて、冷えなどを改善します。また、「気」という、エネルギーのようなものがあるのですが、これが上に上がりっぱなしだと、イライラして、眠れなくなる、 などの症状が出てきます。その気を下におろしていくことで、イライラ、不眠を解消し、のぼせをしずめます。

簡単にまとめると、怒りっぽい、イライラ、ヒステリー、不安、不眠などの精神症状から、肩こり、のぼせ、ほてり、めまいなどの症状に至るまで効果があります。実際に加味逍遙散ののぼせ、ホットフラッシュに対する効果は、血管の炎症に関連する物質を優位に低下させたという試験結果も出ています。

女性だけのお薬というわけではなく、男性に用いても効果が期待できます。

ストレスに効く四逆散

胸脇苦満

東洋医学には「肝気鬱結」(かんきうっけつ)という状態があります。これは、精神的なストレスが強くかかったことにより、抑うつや怒りなどの気が滞り、溜まった状態をいい、イライラや情緒不安定、短気、不眠、食欲不振、月経異常などの症状が起こったりします。

また、気の巡りが悪いため、手足が冷えるまたは手足に汗をかく、緊張から下痢をすることもあります。また、普段は喜怒哀楽を表現することが少ない反面、不安から突然パニックにおちいり、混乱したり取り乱すこともあります。几帳面で、我慢強く、感情を発散することがヘタで、ストレスをため込んでしまうようなタイプの方に多いようです。

肝気鬱結が強く、身体の両側に強い胸脇苦満(おなかへこませたてっぺんから肋骨そった部分が緊張して苦しかったり、圧痛がある)と腹直筋のつっぱりがあるというような方には、四逆散(しぎゃくさん)をおすすめします。

この漢方薬は、ストレスでバランスを崩してしまった心と身体の不調を改善するお薬なんですね。構成生薬の柴胡(さいこ)には「気」のうっ滞を除いたり、鎮痛・消炎作用、枳実(きじつ)とともに胸のつかえを取る作用があります。芍薬(しゃくやく)には鎮痛作用、甘草(かんぞう)には緩和作用があります。構成生薬が4つと少ないため、各生薬の作用は強めです。

体力が中くらい以上の方に向いている漢方ですので、体力のない方はまた違った漢方を用います。ご相談ください。

五月病やうつ病対策

五月病

五月病という言葉があります。新社会人や新しく大学や高校に進学した方々が新しい環境になじめずに精神的に参ってしまう症状のことです。

五月病はじめ、うつ病などの精神疾患になる主な原因はストレスや緊張から脳内の神経伝達物質の働きが悪くなるためと言われています。この神経伝達物質はセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンです。これらは「心の三原色」といわれています。この中で、重要な役割を果たすのがセロトニンです。セロトニンの欠乏を防いで、それを増やすことができれば、うつ病などの精神疾患を予防できるといえます。

それでは、ここで、セロトニンを増やす方法をご紹介します。
1.早寝早起きをして、朝に太陽の光をしっかり浴びる
2.適度な運動
3.よく噛む
4.人や動物などとのスキンシップをする
5.腸内環境を整える(セロトニンの原料は腸内細菌が作ります)
そして、
6.セロトニンの原料となるトリプトファンを積極的に摂取する。

「メキシコ人はなぜハゲないし、死なないか」という、自殺をテーマにしたSFドキュメンタリー小説があります。その本によると、世界一自殺率が低いのはメキシコ。メキシコはインゲン豆の消費量が多い。世界的に見ても豆の消費量と自殺率は相関している。豆にはセロトニンの材料になるトリプトファンが多く含まれている。

ちなみに、トリプトファンを多く含む食品は、豆類以外に、バナナ、アーモンド、赤身肉、玄米、ソバなどです。トリプトファンはビタミンが一緒だと吸収がよいので、お野菜や果物もしっかり食べましょう。

さて、漢方薬でもうつに効果的なものがあります。そんな漢方薬を今回は二つご紹介します。
一つ目は「半夏厚朴湯」です。みぞおちが重苦しくのどがつかえるような感じのあるタイプの方のうつ症状には最適です。また、疲れやすく、やる気が出ないようなタイプの方には、「補中益気湯」をお勧めします。

アンニュイな季節

気だるそうな女性

「アンニュイ」という言葉を辞書で調べてみました。「物憂い様、けだるそうな、退屈そうな」 とあります。では、「物憂い様」とは?心が晴れず、だるい様子。鬱っぽいってことでしょうか。しかし、アンニュイな感じというと、ちょっとオシャレな雰囲気、鬱っていうと、ちょっとネガティブな意味合いになります。言葉は難しいですね。

さて、漢方にも「心」に効くものがあります。「半夏厚朴湯」です。

漢方の抗不安薬とも言われています。体力は中程度以下の方へ。胃腸が弱く、食欲不振、吐き気、嘔吐などがある方。腹部が張り、みぞおちを軽くたたくとぽちゃぽちゃ水のたまる音が見られる方にお勧めです。半夏厚朴湯には大七気湯の別名があり、七気(七情:喜・怒・憂・思・悲・恐・驚)と痰飲が結合して咽喉に出現する梅核のような症状を治すというから、「心」の薬と言うのに相応しい。

漢方薬は軽度のうつにはお勧めですが、気長に服用することが前提です。 また、すでに治療中の方などは、現在服用中の西洋薬などから勝手に漢方薬に切り替えるのはNGで、かかりつけの先生にご相談の上、慎重に選択することが望まれます。

こころの漢方薬

鬱

意外かもしれませんが、漢方薬は精神にも作用します。精神科領域でも漢方薬は大活躍です。
今月は「半夏厚朴湯」をご紹介し、その精神面への作用をご説明したいと思います。
「半夏厚朴湯」は漢方の安定剤。
【適応】気分が塞いで喉・食道部に違和感があり、時に動悸、めまい、嘔気を伴うものの諸症
【証】(虚実)虚〜中間証 (寒熱)中等証
半夏厚朴湯は抗うつ作用があると言われ、不安、緊張、イライラに効果があり、また、喉の違和感、異物感や息苦しいといった、パニック様症状に効果があると言われています。更年期障害の諸症状にも効果があるとされています。
半夏厚朴湯は、「気の流れを調整して滞りを改善する」ことで精神面への効果が出ます。西洋薬のように依存性や離脱症状はありません。
比較的副作用も出にくいので万人が利用していただくことはできますが、吐き気が出たり、気分が悪くなる場合は中止することをお勧めします。

ちなみに、「のどの異物感」は心が疲れてくると出るサインといわれています。
半夏厚朴湯は心のサプリ、お気軽にご相談ください。

酸棗仁湯

イライラしてる人

誰もが多くのストレスを抱えて生活をしています。
そのストレスを日々の生活の中でうまく解消していれば問題は起こりません。激しいストレスや疲労は自律神経の働きを乱し、情緒不安定になります。毎日疲労とストレスがリセットできるときっと気分よく朝が迎えられます。そんなことができればよいですね。
それを助ける漢方を今月はご紹介します。
「酸棗仁湯」(さんそうにんとう)です。
自律神経の働きを助ける「酸棗仁湯」は漢方版の「安定剤」です。
「酸棗仁(さんそうにん)」と「茯苓(ぶくりょう)」が不眠や神経の衰弱、胃腸障害を改善します。また、カッカしてる熱を冷ます効果が「知母(ちも)」にあります。
体質は中間タイプの方から、虚弱タイプの方にお勧めです。
ちなみに「知母(ちも)」はユリ科のハナスゲの根茎です。

麦門冬湯と四逆散

クヨクヨしてる人

仕事や勉強のストレスで疲れが溜まり、緊張が続いたときに、胃が重くなったり、口臭が強くなったりすることがあります。
口内炎が発生し、口の中がネバネバして、唾液が少なくなり、胃が重くなり、陰液(漢方の考え方で、人の体を構成する血・水・精などの要素)を補う舌苔がほとんどないような場合、胃の陰液を補う麦門冬湯(ばくもんどうとう)で対処します。
また、ストレスなどで、肝(漢方でいう、造血や気の巡りをつかさどる臓器)の疲れを取る効果がある四逆散も効果的です。四逆散は、気のめぐりをよくしてストレスを軽減します。
漢方で新しい口臭予防をお試しください。

母子同服

母子同服

「母子同服」という言葉があります。
母親がイライラすると、子どものアトピー性皮膚炎まで悪化するという例があります。アトピー性皮膚炎などの皮膚症状は精神的なストレスなどによってもたらされることが多いことで知られています。
イライラが強いような状態を漢方では「肝の失調」ととらえます。
ですから、それに対するお薬は加味逍遙散などの皮膚とは一見関係のないように見えるイライラを改善する漢方薬が功を奏することもあります。
そういう時に母子で同じお薬を服用して治療をすることを「母子同服」というのです。
「母子同服」
このように母子で治療する方法もあります。お気軽にお問い合わせください。

イライラ漢方とクヨクヨ漢方

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イライラとは怒りっぽい状態です。
漢方の考え方での五臓(肝・心・脾・肺・腎)のなかで肝の不調があると、肝鬱という、いわゆるイライラの状態になります。そんな時は「柴胡剤」の出番です。
柴胡剤の代表は『加味逍遙散』
女性の更年期やPMS(生理前後の諸症状)に使われますが、男性が使ってもかまいません。

一方クヨクヨとは漢方で言うところの『気』の乱れ。
五臓のいう『肺』の不調や胃腸の乱れから来ると言われます。
そんな時は『六君子湯』
胃腸の不調を改善しクヨクヨを解消します。
イライラもクヨクヨも漢方の出番です!

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