肩こりと漢方
温熱効果で肩こりを楽に
近ごろコンピュータ業務に関わる方が多く、長時間同じ姿勢で仕事をしたり、また、コンピュータには縁がなくても、人間関係で気を使い、神経を使い、筋肉が緊張し、そして肩こりになる、といったように、肩こりの悩みは多かれ少なかれ皆さんお持ちだと思います。そして、肩こりから全身の不調へとつながることもあるため早めの対策が必要です。
肩こりは時に頸椎が原因となることもあるので、専門医に診てもらうべきケースもありますが、通常の肩こりは温めると改善します。ですので、しっかりと入浴をして温めたり、蒸しタオルで患部を温める方法もあります。また、マッサージなどもよいですが、過度なマッサージは筋肉を傷める恐れもあります。
漢方でなんとかならないの?そんな声が聞こえてきそうですが、漢方でなんとかできます。葛根湯です。
ある研究で、健常人と肩こり患者に、サーモトレーサーを用いて体表温度を測りつつ、葛根湯を飲んでもらいました。経時的に測定したところ、肩こりに対し21%が明らかに改善。63%が肩こりに対し有効でした。改善した人たちの体表温度は、側頸部において温度の上昇が有意に大きかったそうです。よって、葛根湯は患部の血流を改善し、肩こりを楽にしてくれるといえます。
煎じ薬では、温かい状態で服用するため、温熱効果がさらに高まります。ぜひ、お試しください。
肩こりの漢方薬
肩こりでお悩みの方は多いと思います。筋肉のこわばりが肩こりの原因ですが、マッサージや湿布による対処は一時しのぎにすぎません。また、筋肉を和らげる西洋薬の一部は眠気やのどの渇き、吐き気などの副作用を伴うものも多いのです。そのような場合、どうすればよいのでしょうか。
もちろん漢方薬です!
1.葛根湯
よく風邪に葛根湯と言われますが、筋肉の炎症やこりをほぐす効果は抜群です。30分から1時間で効果を実感できます。頓服的な飲み方もOKです。
2.呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
吐き気や冷え、頭痛を伴う肩こりに向いています。こちらも頓服可能です。
3.加味逍遙散(かみしょうようさん)
不安や心のイライラに伴う肩こりに向いています。頓服よりも毎日飲むのがおすすめです。葛根湯と併用してもOKです。
ハードワークで身体を酷使している方は、漢方でメンテナンスをしてみてはどうでしょうか?