二日酔いと漢方
二日酔いに使われる漢方薬
今日は薬学生の漢保 煎二(かんぽう せんじ)くんといっしょに、普段の会話から漢方煎じ薬について勉強してみましょう。
煎二くん「森先生、昨日ちょっと飲みすぎちゃいました。頭は痛いし、気持ち悪いし、のどは渇くし……。二日酔いに使える漢方ってあるんですか?」
森「あるよ。二日酔いに用いられる代表的な漢方に、五苓散(ごれいさん)があるんだ。」
煎二くん「二日酔いって、アセトアルデヒドが原因なんですよね?」
森「アセトアルデヒドなどアルコールの代謝で生じる物質も関係しているけれど、それだけじゃないんだ。脱水や炎症反応、睡眠の質の低下など、いろいろな要因が重なって、頭痛、吐き気、だるさ、口の渇きなどが起こると考えられているよ。」
煎二くん「じゃあ、五苓散はどんな二日酔いに使うんですか?」
森「漢方では、のどが渇くのに尿が少ない、吐き気がする、頭が痛い、むくむといった症状を、身体の中の『水』のバランスが乱れている状態として考えることがあるんだ。五苓散は、そんな水分バランスの乱れを整えるために使われる漢方なんだよ。」
煎二くん「なるほど。単に尿をたくさん出す漢方ではないんですね。」
森「そう。五苓散は、沢瀉・猪苓・茯苓・白朮(または蒼朮)・桂皮という5種類の生薬からなる処方で、二日酔いのほか、頭痛、むくみ、吐き気、水様性の下痢などにも用いられるんだ。」
煎二くん「昨日飲みすぎたことは反省します……。」
二日酔いを完全に防いでくれる薬はありません。まずは飲みすぎないことが一番の対策です。そのうえで、飲酒後にのどの渇き、尿量の減少、頭痛、吐き気、むくみなどがみられる場合には、五苓散が選択肢になることがあります。
アルコールと納豆
「飲む前にこれを食べれば二日酔いにならない!」という食べ物があればうれしいところですが、残念ながら、特定の食品だけで二日酔いを防げるとはいえません。
納豆も「二日酔いに良い」といわれることがあります。納豆は、たんぱく質やビタミン、食物繊維などを含む栄養価の高い食品ですが、納豆そのものに二日酔いを予防する効果が確認されているわけではありません。
ただし、空腹のまま大量のお酒を飲むよりも、食事をしながらゆっくり飲むことは大切です。お酒だけを飲み続けず、水や食事も一緒にとりながら、飲酒量を抑えることが二日酔い対策の基本です。
そして、飲みすぎた翌日に、のどが渇く、頭が痛い、吐き気がする、むくむといった症状がある場合には、五苓散が用いられることがあります。
「二日酔いにならないために五苓散を飲んでおけば大丈夫」と考えて飲酒量を増やすのではなく、まずは適量を心がけることが何より大切です。
二日酔いには五苓散
楽しいお酒の翌朝、「頭が痛い」「気持ち悪い」「のどがカラカラ」「顔がむくんでいる」……。そんな二日酔いを経験したことがある方も多いのではないでしょうか。
二日酔いは、アルコールの代謝に伴って生じる物質だけでなく、脱水、炎症反応、睡眠の質の低下など、複数の要因が関係して起こると考えられています。
不思議なのは、二日酔いでは「のどが渇いているのに、顔はむくんでいる」「水を飲んでも胃のあたりがチャプチャプする」といった、一見すると矛盾した症状が現れることがある点です。
漢方では、このように身体の中で水分がうまく巡らず、必要なところに届かずに一部へ偏っている状態を「水滞(すいたい)」と考えます。
そこで登場するのが、利水剤と呼ばれる五苓散(ごれいさん)です。
五苓散は、沢瀉・猪苓・茯苓・白朮(または蒼朮)・桂皮の5種類からなる漢方薬です。のどが渇いて尿量が少なく、頭痛、吐き気、むくみなどを伴う二日酔いに用いられます。
五苓散は「とにかく尿を出す薬」と考えるよりも、漢方では偏った水分バランスを整える処方と考えると分かりやすいでしょう。
そのため、西洋医学で心不全や高血圧などに使用する「利尿薬」と、五苓散を単純に同じものとして比べることはできません。目的も作用の仕方も異なります。
また、ネットオリーブの五苓散には、基礎研究として利尿作用、アルコール代謝改善作用、消化管運動亢進作用などが報告されています。ただし、こうした基礎研究の結果が、そのまま人の二日酔いへの効果の大きさを示すわけではありません。
二日酔いで五苓散を選ぶポイントは、口の渇き、尿量の少なさ、吐き気、頭痛、むくみなど「水」の偏りを思わせる症状があるかどうかです。
ウコンの功罪

「お酒を飲む前にはウコン」。そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ウコンは香辛料としても使われる植物で、健康食品やサプリメントにも広く利用されています。しかし、「天然のものだから誰にでも安全」というわけではありません。
ウコンには胆のうを収縮させたり、胆汁の分泌に影響したりする作用が知られています。そのため、胆石や胆道閉塞などの病気がある方では、痛みを誘発したり症状を悪化させたりする可能性があります。
また、ウコンやクルクミンを含む健康食品では、まれではありますが肝障害も報告されています。肝臓が気になるからと自己判断で大量に摂取するのではなく、持病がある方や薬を服用している方は、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
一方、二日酔いに正式な効能を持つ漢方の一つが、五苓散です。
五苓散は、沢瀉(タクシャ)・猪苓(チョレイ)・茯苓(ブクリョウ)・白朮または蒼朮(ビャクジュツ・ソウジュツ)・桂皮(ケイヒ)の5種類の生薬から構成されています。
のどが渇いて尿量が少なく、頭痛、吐き気、むくみなどを伴う二日酔いに用いられる漢方です。「ウコンを飲めば大丈夫」「五苓散を飲めばどれだけ飲んでも大丈夫」というものではありませんので、まずは飲酒量を控えることを基本にしましょう。
二日酔いとは?
二日酔いとは、お酒を飲んだ翌日などに起こる頭痛、吐き気、だるさ、口の渇き、胃の不快感、めまい、集中力の低下などの症状の総称です。
以前は「アセトアルデヒドが体内に残ることが二日酔いの原因」と単純に説明されることが多くありましたが、現在ではそれだけでは説明できないことが分かっています。
アルコールの代謝に伴う変化に加えて、脱水、睡眠の質の低下、炎症反応、胃腸への刺激など、いくつもの要因が重なって二日酔いが起こると考えられています。
漢方では、その中でものどが渇く、尿量が少ない、吐き気がする、頭が痛い、むくむといった症状がみられる場合に、身体の「水」のバランスが乱れている状態を考えます。
このような二日酔いに用いられるのが、五苓散です。
五苓散は、厚生労働省の一般用漢方製剤の基準でも「二日酔い」が効能として認められている漢方薬です。特に、口の渇きや尿量の減少、頭痛、吐き気、むくみなどを伴う場合に適しています。
ただし、もっとも確実な二日酔い対策は飲みすぎないことです。嘔吐が止まらない、意識がおかしい、呼びかけへの反応が悪いなどの症状がある場合には、単なる二日酔いではなく急性アルコール中毒の可能性もありますので、速やかに医療機関への受診や救急要請を検討してください。
















