からだに良くないもの
幸せホルモンとやる気ホルモン
今日は腸内細菌のお話を。
インスタントラーメンも今では、生めん、ノンフライめんなど種類が増えました。味も醤油、塩、とんこつなどバラエティ豊かで、おいしくて便利ですよね。
ただし、インスタント食品などに偏った食生活が続くと、野菜や豆類、海藻、果物などから摂る食物繊維が不足しやすくなります。近年では、こうした食生活と腸内細菌のバランスとの関係が盛んに研究されています。
特に、いわゆる「超加工食品」を多く摂る食生活と、腸内細菌叢の変化との関連が報告されています。ただし、「加工食品に入っている保存料が腸内細菌を殺してしまう」と単純に考えられるものではありません。食品添加物の影響については研究が進んでいる途中で、人での十分なデータがまだ少ないものもあります。
ところで、脳内で働くセロトニンは「幸せホルモン」、ドーパミンは「やる気ホルモン」などと呼ばれることがあります。正確には、どちらも脳内で重要な働きをする神経伝達物質です。
実は、身体全体でみるとセロトニンの大部分は腸で作られています。ここだけ聞くと「腸で作られたセロトニンが脳へ行って幸せな気分にしてくれる」と思ってしまいますが、そう単純ではありません。
腸で作られたセロトニンは、基本的には血液脳関門を通って脳へ入ることができません。脳で働くセロトニンは、主に脳内で作られています。
では、腸内環境は心とは関係ないのでしょうか?
いえ、そうではありません。腸と脳は、神経、免疫、ホルモン、腸内細菌が作る物質などを介して互いに影響し合っていることがわかってきています。これを「腸脳相関(ちょうのうそうかん)」と呼びます。
腸内細菌は、セロトニンの材料となるトリプトファンの代謝や、さまざまな腸内代謝物を通して脳の働きにも関係している可能性があり、気分やストレスとの関係についても研究が進められています。
ただし、「腸内細菌が減るとうつになる」「腸内細菌を増やせばセロトニンが増えて気分がよくなる」とまで単純化することはできません。
それでも、気分が落ち込んでいるときや疲れているときほど、食事がインスタント食品や同じものばかりになっていないか、一度見直してみるのはよいと思います。
肉や魚、野菜、豆類、海藻、きのこ、果物など、さまざまな食品をバランスよく食べること。特に食物繊維を含む食品を意識することは、腸内環境を整えるうえでも大切です。
つまり、腸を大切にすることは、身体だけでなく心の健康を考えることにもつながるということですね。
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電子タバコ
電子タバコは本当に安全なのか、また禁煙に役立つのかについてお話ししたいと思います。
まず知っておきたいのは、「電子タバコ」と「加熱式タバコ」は別物だということです。
IQOS(アイコス)、glo(グロー)、Ploom(プルーム)などは、タバコ葉を加熱する「加熱式タバコ」です。一方、電子タバコは、リキッドと呼ばれる液体を電気的に加熱し、発生したエアロゾルを吸入するものです。
電子タバコは煙が出ないため「紙巻タバコより無害なのでは?」と思われがちですが、必ずしも無害というわけではありません。
電子タバコのリキッドには、プロピレングリコールやグリセリン、香料などが使われています。加熱によって、製品や使用条件によってはホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなど、健康への影響が懸念される物質が発生することも報告されています。
次に問題になるのがニコチンです。
日本では、ニコチンを含む電子タバコ用リキッドは医薬品に該当し、承認を受けていないものを国内で販売することは禁止されています。
そのため、国内で一般に販売されている電子タバコは基本的にニコチンを含まない製品です。ただし、ニコチン入りの電子タバコを海外から個人輸入することは、一定の範囲で認められています。
ニコチンを含むリキッドは、誤飲すると急性ニコチン中毒を起こす危険があります。特に小さなお子さんがいる家庭では、手の届かない場所に保管するなど十分な注意が必要です。
では、電子タバコは禁煙に役立つのでしょうか。
ここは以前とは研究結果が変わってきています。海外で使用されているニコチン入り電子タバコについては、近年の大規模な研究のまとめで、ニコチンパッチやニコチンガムなどのニコチン代替療法より禁煙成功率を高めるという結果が報告されています。
つまり現在では、「電子タバコには禁煙効果が確認されていない」と一律にいうことはできません。
ただし、この研究で使用されているのは主に海外の品質管理されたニコチン入り電子タバコです。日本で一般販売されているニコチンを含まない電子タバコとは、同じように考えることはできません。
また、日本ではニコチン入り電子タバコは禁煙治療薬として承認されていません。
日本で禁煙を考える場合には、薬局で購入できるニコチンガムやニコチンパッチ、あるいは禁煙外来での治療など、効果と使用方法が確認されている禁煙方法があります。
電子タバコは「水蒸気だから安全」「これに替えれば健康になる」というものではありません。紙巻タバコと比べた健康影響についての研究は進んでいますが、長期間使用した場合の影響については、まだ確認が必要な部分もあります。
禁煙を目的にするのであれば、何となく電子タバコに替えるのではなく、最終的にタバコやニコチンから離れることを目標に、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
















