にきび・皮膚炎と漢方
桜のお薬
桜も「生薬」になります。オウヒ(桜皮)という生薬です。オウヒの成分は桜の樹皮を乾燥させたもので、効能としては湿疹やじんましんに効果があります。また古くから解熱、咳止めなどにも使われてきました。
オウヒを含んだ漢方薬は、十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)があります。この漢方薬は、じゅくじゅくした蕁麻疹や皮膚炎、水虫に効果があり、たまっている水や熱を発散させて、皮膚を正常化する作用があります。
膿をもったニキビにも効果的。10種類の生薬で毒素を取り除くという意味で、十味敗毒湯と名付けられたとか。江戸時代の外科医、華岡青州によって日本で作られた漢方薬です。急な皮膚炎などにも使われますし、慢性的なアレルギーの体質を改善する目的でも使われているんですよ
蜂窩織炎(ほうかしきえん)
蜂窩織炎という病気をご存知でしょうか?毛穴や傷口から主に黄色ブドウ球菌などが入り込み、皮膚の深いところから皮下脂肪組織にかけておこる化膿性炎症です。
漢方薬としては、次のようなものがよく使われます。
●半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
リンパ浮腫から蜂窩織炎を合併した時に用いたりする薬です。体力のない冷え症の方や胃腸虚弱、水分の代謝を促す作用があり、吐き気の伴うめまい、頭重感などにも使用されます。
●防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
水分代謝が悪く、余分な水分が体に滞っている方の代謝に働きかけてむくみを解消したり、倦怠感を軽減してくれる薬です。
リンパ浮腫から蜂窩織炎を合併した時に患部は腫れて痛みが出ます。これは漢方の考え方で、気の滞りから水分代謝機能も上手く働
かなくなるとされ、体内の気を巡らせることで、余った水分を排出させ、水の流れの改善を図ることで痛みを止め、腫れも治めます。
●越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
風邪薬で有名な葛根湯にも含まれる麻黄(マオウ)が多く含まれており、関節リウマチ、メニエール病、夜尿症、むくみ、腎臓病、湿疹などに用いられる薬で、病原菌に作用して熱を下げ、水分代謝を促す働きがあります。
大人ニキビと漢方
大人ニキビに悩む原因は、漢方の考え方でいうところの「於血」(おけつ)といわれる状態であるとされています。すなわち、お肌の血行不良ともいえるでしょう。
冷え・イライラ・頭痛・肩こりがあると於血といえます。そんな方のニキビには、
当帰芍薬散(色白で冷え性、むくみがちの人)
加味逍遙散(肩こりや便秘があり、日ごろイライラしがちのタイプ)
桂枝茯苓丸(のぼせ、赤ら顔、特に生理前に肩こりやイライラするタイプ)
が効果的です。
お試しください。