漢方薬ご相談症例【1-10】

ご相談症例-10

50代男性 高血圧による不眠

主な症状

身長173cm、体重83kg、体力があり、血圧は高めで西洋薬で治療中。仕事がらストレスからかイライラすることも多い。
夜、布団に入り寝ようとすると耳鳴りがしたり、自分の心臓の音が気になり、なかなか眠りにつけない。

処方

のぼせ気味で血色がよく体力もあり、高血圧の方です。黄連解毒湯(おうれんげどくとう)をお飲みいただきました。このお薬は体力が中程度以上の充実した方で、高血圧に随伴する症状がある時などによく用います(のぼせ、動悸、頭痛、耳鳴り、不眠、イライラすると悪化しやすい皮膚炎など)。
身体の熱を冷まし鎮める作用(消炎冷却鎮痛作用)があるため、体力のない方は身体が冷えて下痢などの副作用が起きやすくなるため用いません。

ご相談症例-9

60代女性 うつ病による不眠

主な症状

身長157cm、体重50kg、数年前から気力がわかず、毎朝起きることが辛かったり、イライラしたり、息苦しい。食欲もあまり湧かない。家事もほとんどやる気になれない。
精神科で抗うつ剤と眠剤を処方され飲んでいるが、ぐっすり眠れず、日中に眠くなったり、倦怠感が抜けない。

処方

比較的体力がないとのことでしたので、まずは酸棗仁湯(さんそうにんとう)を3日分お試しいただいたところ、あまり効果がなく、喉がつかえる感覚もあり、息苦しさも改善しないという症状でした。そこで半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)に切替えていただきましたところ、早期に諸症状が改善されました。
この漢方薬は喉に異物がないのにつっかえるような違和感がある時によく用いられ、精神的な不安を取り除き、気持ちを落ち着かせる作用があります。基本的には体力が中等度の方に用います。
※不眠の治療もその方の証に合った漢方を選ぶのが理想ですが、諸症状で判断しかねる場合には、まずは酸棗仁湯を用いてみることも多く、実際に奏功する例も少なくありません。

ご相談症例-8

50代女性 更年期障害

主な症状

身長158cm、体重55kg、3年前に閉経した後、頭痛、肩こり、不眠症状など更年期障害と思われる症状が出だした。もともと疲れやすくて体力はあまりないほう。近ごろは、エアコンを効かせた部屋でも時おり急に暑くなり、額から汗が噴き出したと思えば、急にスーッと冷めたりした。
婦人科で更年期障害と診断され、ホルモン補充療法(HRT)を受けていたが、症状はあまり改善しなかった。

処方

女性は閉経する5年くらい前からエストロゲン(卵胞ホルモン)が急激に減少していきます。このため、更年期といわれる閉経前後の5年間(一般的には45〜55歳)には、不眠、不安、イライラ、動悸、冷え、のぼせやほてり(ホットフラッシュ)、汗をかきやすい、などの症状が表れやすくなり、日常生活に支障が出たときには「更年期障害」と呼ばれるようになります。
メールでうかがった症状や体力から、加味逍遙散をお勧めしました。
この漢方薬は更年期障害ではよく用いられ、体力のあまりない、もしくは中程度以下の方に向いており、1日3回朝昼夕の食前にお飲みいただきます。

ご相談症例-7

20代女性 冷え症、下痢、むくみ、月経痛

主な症状

身長163cm、体重50kg、20代前半から冷えが強く、いつも手足が冷えてカイロが必要、寝るときも靴下を履いていた。
下痢も頻繁にあり、近ごろはむくみも起こるようになり、冷えはカイロを使ってもあまり改善せず、眠れないことも多くなってきた。
月経周期はそこそこ順調であるが、生理痛がひどい。

処方

当帰芍薬散
虚証の方(痩せ気味で体力のない、全体的に弱々しい)女性によく用いる漢方です。血の不足、血の滞り、水の滞りがあり、内臓の働きが十分ではなく、そのため冷えが蓄積し、特に血に関する不調のために婦人科系の不調がおこるような場合に使います。すなわち血行をよくして身体を温める作用があるんですね。滞った水も代謝させる利尿作用ももちますので、むくみを取る効果も期待できます。

ご相談症例-6

30代女性 太り気味、むくみ

主な症状

身長158cm 体重63kg BMI25肥満(1度)
食べることが好きでとくに揚げ物、麺類、甘い炭酸飲料が好き。
子どもの頃から肉付きが良いタイプだったが、思春期から徐々に体重が増え始め、産後ますます太った。これまでにも食事制限をしたりダイエットを試みたが、なかなか思うようには続かず、ほとんど痩せられなかった。
慢性的な肩こり、便秘がち、暑がり。お腹は触ると硬い。体格がいいといわれる。
漢方薬を試してみたいと思い、メールで相談した。

処方

まず、比較的無理のない食生活の改善や摂取すべき栄養素についてのご助言をさせていただきました。
それから、体の熱を取り、カロリーの摂りすぎによる脂肪太りの毒を発散・排出に用いる 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)を朝昼夕の1日3回、食前にお飲みいただきました。
この漢方薬はのぼせやすく体力のある方向きのお薬になります。体力のない方に用いると排出のしすぎにより体力を奪ってしまいます。食生活の改善をした上で用いることが肝要です。

ご相談症例-5

20代女性 冷え症、むくみ

主な症状

痩せ型で顔色はあまり良くない。毎日パソコン作業に従事。身体はほとんど動かさない仕事のため、ほぼ座りっぱなし。冬場はひざ掛け、厚手の靴下、カイロは必須、寝る時も厚手の靴下が要る。
運動した後や入浴後はぽかぽかと温まるが、その他の時間は冷えが気になりつらい。膝から下はしょっちゅうむくんでパンパンになり、だるい。足の脛(すね)にゴムの跡が凹んでつくことが多い。

処方

メールでのご相談。冷えと足に浮腫みがある方です。舌をご自分で見ていただいたところ、舌の縁に歯型(歯痕)があり、デコボコしているとのことで、これは体内に水を溜め込んでいることによる浮腫みなのですが、「水毒」があると判断します。
また、痩せ型で色白、おへその脇に圧痛があるとのことでしたので、「瘀血(おけつ)」(血の不足、または血の巡りが悪い)という状態というのがわかります。
こういった方には、虚証の方に向いている駆瘀血剤(くおけつざい)を使ってみます。 当帰芍薬散です。余分な水分を身体の外に流し、血を補い、血行を良くして体を温める作用があるんですね。
婦人科系の漢方薬としては有名なお薬ですが、誰にでもというわけではありません。胃の弱い方は受け付けない場合もあるので注意が必要です。

ご相談症例-4

50代女性 肩こり、胸の筋肉のつっぱり

主な症状

肩こり、痛み、胸の筋肉のつっぱりがあり、重いものを持つとさらに悪化した。
テルネリンやデパスを服用した時は症状は緩和するが、日中の眠気があり、継続しての服用は困難だった。

処方

葛根湯
葛根湯は首の後ろがこわばりや頭痛があったり、汗の出ない方の初期の風邪に使うことで有名な漢方薬ですが、実は肩こりに用いることもとても多いんです。
対症療法の西洋薬とは違ったアプロ―チで、「気」や「血(けつ)」のめぐりを良くすることで、冷えている箇所を温め、胸から上の凝った筋肉をほぐしていきます。凝った時だけ頓服的に使われることもあります。

※葛根湯が合うのは体力のある方です。比較的体力のない方には向きませんので別の漢方を用います。
肩こりでわざわざ病院には行かないという方は多いのですが、筋肉のこりが楽になることでその方のQOLはぐっと上がります。

ご相談症例-3

10代女児 起立性調節障害(OD)

主な症状

(お母さまからのご相談)
一年ほど前から全身がだるくて重い。頭が重く、寝つきが悪い上、朝起きられないことも多くなり、つらくて登校できない日もあった。朝礼で倒れ、病院にて起立性調節障害と診断、水分や塩分を摂る、生活リズムを整えるなどしていたが、あまり改善しない。気力がなくなり、イライラすることも多くなった。立ちくらみもよく起こる。お腹あたりがドクドクと脈うつ感じになる。いつも午前中は調子が悪いが、午後からは良くなってくる。
痩せ型、顔色や皮膚の調子は良い。体質は胃腸が弱く、風邪もひきやすい。喉が渇きやすく、おしっこも少ない。乗り物酔いもしやすい。足が冷える。舌が白い(舌白苔)。
中枢神経系や内耳の疾患はなく、血液検査も問題ない。

処方

起立性調節障害は10歳以上の方に多い疾患です。症状などからも水毒や水滞といわれる状態で、体内の水の流れが滞ったり、余ったり、バランスが悪いために起こると考えられます。
水毒を改善する漢方の選択肢はいろいろありますが、患者さまの体質や健康状態を考え、「お腹あたりがドクドクと脈うつ感じ」=【動悸】というところから、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)をご提案しました。
構成生薬の茯苓(ぶくりょう)には、体内の余分な水分を排せつさせたり、胃腸を整えたり、精神をおだやかにする働きがあり、白朮(びゃくじゅつ)にも水分バランスを正常化させたり消化機能を高める働きが、桂皮(けいひ)には、「気」の巡りを整えたり、のぼせや動悸などの気の高ぶりを抑制したり、身体をあたためたりする働きがあります。
こういった水毒/水滞になりやすい体質を漢方薬で治療していくと、倦怠感、冷え、頭重、立ちくらみ、乗り物酔いも起こりにくくなるはずです。

ご相談症例-2

40代男性 夏バテ、胃もたれ

主な症状

夏バテの様な感じでいつもダルく、朝起きられなかったり、食欲もなく、胃もたれや不快感があった。食欲は暑さの影響だと思ったので、胃の調子だけでもよくしたくて継続して飲みやすい漢方薬を探していた。

処方

補中益気湯をご購入くださいました。
このような気力がわかず、なかなか疲れがとれない、食欲不振、胃腸の不調のある方にはもってこいの漢方薬なんです。
消化機能を高め、「気」の生成を増す(わかりにくいかもしれませんが)ことにより体力を回復させる作用や免疫機能を高める人参(にんじん)、「血」(けつ)の不足を補い、巡りを改善する当帰(とうき)、消化機能を整える生姜(しょうきょう)や陳皮(ちんぴ)、水分代謝を良くする白朮(びゃくじゅつ)、胃腸の機能を整えたり、精神を安定させる大棗(たいそう)、強壮作用や滋養作用のある黄耆(おうぎ)などの生薬で構成されており、気力を回復させ、病気に対する抵抗力を高めたりします。


ご相談症例-1

30代女性 肩こり、頭痛

主な症状

30代後半になり、毎日のように夕方になるにつれ、首から肩にかけてのコリと頭痛が起こる。
頭痛の時はロキソニンを飲めば治るが、毎回薬で痛みを止めることに抵抗があった。
肩こりも肩甲骨のストレッチをしてみたり、マッサージに通ってみてもその時はなんとなく軽くなるような感じもするが、すぐに戻ってしまう。

処方

比較的体力もある方で、とくにうなじのこわばりが強いご様子でした。メールにて聞き取りの結果、葛根湯をご提案させていただきました。
葛根湯の構成生薬の葛根(かっこん)には、うなじや背中の筋肉の緊張をほぐしてやわらげる作用があり、甘草(かんぞう)にも筋肉の緊張を緩める働きがあります。芍薬(しゃくやく)や桂皮(けいひ)は血行を促進させ、体を温める働きがあります。

 

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